見出し画像

2022東北大国語/第二問/解答速報

【2022東北大国語/第二問/解答速報】

出典は梨木香歩の小説『雪と珊瑚と』。

問一 (語句の意味/文脈に即して簡潔に)
〈GV解答例〉
(1)おずおずと→相手を恐れてためらいながら
(2)呼び水→行為を起こすきっかけ
(3)ねぎらい→相手の苦労をいたわること

問二「アレルギー反応、っていう言葉はぴったりかもしれない、と珊瑚は心の中で思った」(傍線部(ア))とあるが、「アレルギー反応」とはどういうことか。本文の内容に即して35字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
周囲の同情に頼る生き方を拒否する漠とした感情が意識の上に表出したこと。(35)

〈参考 S台解答例〉
相手の親切心に対して卑屈になり、反発のあまり過剰に反応してしまうこと。(35)

〈参考 T進解答例〉
娘と二人で生きる自分の人生に対し他者が同情することへの潜在的な嫌悪感。(35)


問三「くららはため息をついた」(傍線部(イ))とあるが、それはなぜか。本文の内容に即して60字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
施される側が卑屈に感じないように接することがその屈辱を倍加させうるという葛藤を、自らの経験で身をもって痛感していたから。(60)

〈参考 S台解答例〉
施される側に卑屈さを感じさせまいと丁寧に接することが、かえって相手の屈辱感を増すことにつながるという葛藤があったから。(59)

〈参考 T進解答例〉
施しを受ける側が自分のプライドを傷つけられながらも、それがないと生きていけない現実に、くららは葛藤を覚えていたから。(58)


問四「でも、彼女に反感を抱くことを、そういうふうに意識できれば、しめたものですよ」(傍線部(ウ))とあるが、くららはなぜ「しめたものですよ」と珊瑚に伝えたのか。本文の内容に即して45字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
反感を意識できる時点でそれから逃れていることを指摘することで、落ち込む珊瑚を肯定するため。(45)

〈参考 S台解答例〉
自分にないものを持つ人間への反感を利用して、他者の好意を受けいれつつ生きて欲しいから。(43)

〈参考 T進解答例〉
恵さんへの反感を嫉妬として捉えられるならば、自分のプライドが傷つくことにはならないから。(44)


問五「やっぱり、葛藤なしにはできない、と思う」(傍線部(エ))には、珊瑚のどのような気持ちが表れているか。本文全体の内容を踏まえて75字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
幼い娘を母親一人で育てるには周囲の助けが必要だが、施しを甘受する境遇に身を置くこともできない以上、その間で葛藤しながら生きていくことを覚悟する気持ち。(75)

〈参考 S台解答例〉
子どもと二人で生きていかねばならない現実がある以上、割りきれない思いに悩みながらも、他者の好意を時には受けいれつつ生きていくしかないと決意する気持ち。(75)

〈参考 T進解答例〉
他者の好意を甘受して生きることは、同情に対しプライドが傷つけられたと嫌悪感を抱く自分には難しいので、自分の力で娘と生きていこうという決意が表れている。(75)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?