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仮面ライダーオーズ 復活のコアメダル 感想

ーいつかの明日に手が届くー

このキャッチコピーを見た時点で私はその場で泣き崩れてしまった。

仮面ライダーオーズ10周年記念作品
『復活のコアメダル』

あれから10年、震災、疫病、戦争、そして自身の人生に襲いかかる度重なる不幸、悲劇に見舞われながらも我々は必死に生き抜いてきた。
今掴もうとしている明日は明るく美しいものではないかもしれない。

それでも、我々が掴んだいつかの、あの日の未来なのだ。


私はオーズに並々ならぬ思い入れを抱いている為にキャッチコピーにすらボコボコにされ号泣、痙攣の後に失禁してしまったわけだが…

私がオーズに命を救われた話
(感想に直接関係ないので読み飛ばしてもらって構わない)

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当然、当然である。
当然私は復活のコアメダルを観に行く。
しかしながら既に皆…
賛否両論というかこれは…掴みたかった明日ではない…といった感想が散見されていたためにほんの少し、一握りの恐怖を抱いていたのも事実である。

ぶっちゃけ自分はオーズを心の底から愛しているので伊達さんがおでんの具にチワワを使ったりクスクシエの店長が魚肉のすり身と発泡スチロールを使った偽装肉で懲役刑を受けているだとか映司くんが既に他界しているとかなければ全然受け入れられる覚悟だが…

とにかく私は自らの命の恩人である『オーズ』と再び相見えるのだった。

キャッチコピーで泣いた人間が本編に耐えられるのだろうか…?????

◆アンクと一緒に置いてけぼり

開始2分くらいで置いてかれた。
時は2021年。
世界はなんか…ブッ壊されていた…
セイバーだかリバイスだとか何とかしてくれなかったんだろうか?助けてくれ。

民間人相手に無双するグリード四天王。
他にもっとやることあるんじゃないだろうか。
そしてプロレスラーの入場衣装のような出立ちの800年前の古代オーズ。
挨拶しに来たが詳しい事は他の人に聞いてくれやと他部署の管理職の様な事を言って森に帰る映司くん…

何故こんなことになってるのか何故自分が復活したのかもわからないエヴァQのシンジ君みたいな状況になっているアンクと…観客。

どうせ原因は鴻上会長だろ…

◆人造グリード ゴーダ

古代オーズの復活の理由は全く、イヤ本当に全く語られなかった。
現代に復活した古代オーズは何故か世界の破壊を推し進める。
何がしたいんだろうか?
エルデンリングとかライスシャワーの育成とかすればいいのに。

なんらかの目的、『欲望』があってこその行動こそが王、ひいてはオーズの存在理由な気もするが…
とにかく古代オーズのよくわからん無益な俺強え卍卍マーチの工程の中で少女を庇い、映司くんは命を落としてしまったらしい…

その最期、特に少女が古代オーズに殺されようとするシーンは映司くんのトラウマ、一生残り続ける後悔となったかつて紛争地帯で目の前で助けられたはずの少女を喪ったシーンとカブる。

そんな映司くんが何故生きているかと鴻上会長が悪ふざけと趣味で作った人造グリードにアンクと泉信吾よろしく身体を乗っ取られているからである。

やっぱ鴻上会長じゃんか。


余罪まみれだろうから全部調べ上げた方がいいよこのオッサン。
定年退職したら暇を持て余して人造グリードとかコアメダルとか量産するのを老後の趣味にしそうでめちゃくちゃイヤだ。


困ったご先祖さまだ!!!!!


じゃあないんだよ。絶対棺桶いじっただろ。


卍ー俺が行くー卍


とめちゃくちゃイキったウヴァさんが映司くん(ゴーダ)粛正に向かった時点で予想はついただろうが映司オーズは圧倒的グーパンでウヴァさんを返り討ちに。

挙句ウヴァさんからコアメダルを奪いガタキリバコンボに変身すると分身集団リンチの末にウヴァさんは『卑怯ダゾッ…』という断末魔の末に爆散、グリード達のたむろするBARにヒィヒィ泣きながら逃げ帰ると自身が王に粛正されてしまうのだった…

そんなウヴァを嘲笑うカザリとメズール…とガメルはとりあえずついでに…と古代オーズに吸収されてグリード四天王は退場…

何しに来たんだこの人達?
一般人相手に俺TUEEE卍卍無双してヒマな大学生の如くBARにたむろして退場した…
ウヴァさんのかませっぷりはまだマシと言えよう…みんなもまともな上司のいる職場を選ぼう。

まあその後も色々と…
映司、つまりはゴーダと渋々組むはめになるも自分の名前を気安く映司の体で呼ぶのを拒むアンクだとか30分番組×6話は欲しい展開が続くのだがここから先は割愛させていただく。

さて総括である。

『仮面ライダーアンク』だった。

アンクの物語といえよう。

ありそうで無かったアンク映司憑依体などの胸熱展開の中でも特筆するものがテレビ番組最終回と対を成すアンクと映司の『共闘』だろう。
(余談ではあるが何故タジャドルメダルがエタニティなんて特別仕様になったんだ?という疑問に対してはアンク『自身』が自らのメダルで変身したからという理由付けができるだろう。いつかアンクが変身したタジャドルエタニティと映司のタジャドルが並び立つ姿を見たいものである。というか続編でやってくれ。)
テレビ版で死んだアンク、生きた映司と全く逆。
今回は映司が死に、アンクが生き延びた…
皮肉な話である…

オーズは奪っては奪われて、得ては失っての物語だった。
等価交換ではないがアンクが生き返るとはつまり…

比奈ちゃんの『また3人で手を繋ぎたいね』という願いも今際の時を迎える映司をアンクと共に支えるというあまりにも皮肉な形で叶うことになる。

なんだこの仕打ち!!!!!!!!

しかしながら死に際して映司は満足げな顔を浮かべる。
彼の願いは全て叶えられたからだ。
自分が古代オーズから庇った女の子は生きていた。その姿を見た映司は

『やっと手が届いたんだ』


と力無く、それでも満足気に涙を流しながら呟く。

ダメだ。思い出して書いてるだけで泣いてしまった。もう本当にこのシーンのためにこの作品はあったと思う。

彼はアンクを生き返らせるという望みを叶えただけでなく、かつて少女を救えなかったという悲痛な後悔も慚愧も拭えたのである。

薄れ行く意識の中で映司の目にはあの紛争地帯で喪った少女に見えていたのかも知れない。

彼はかつて掴めなかったアンクの手を握り、少女に手を伸ばすが…

その手は少女の手を掴む事は無かった。

彼は世界を救い、そして自らの願いを叶え、最期に後悔という呪いからすらも解放されたのである。

ハッピーエンド以外の何物でもないだろう。
火野映司にとっては。
しかしながら残されたアンク、比奈ちゃん、そして我々にとっては悲劇でしかない。
我々は火野映司を喪う明日を望んではいなかった…

そう。『いつかの明日に手が届く』というキャッチコピーは他の誰のものでもなく火野映司の明日だったのだ。

最初にも言ったように、明日とは何も明るく美しく素晴らしいものだけではない。絶望と失望と諦念に満ちた明日も必ず来る。
我々は火野映司の死という明日を迎える事でその現実を叩きつけられたのである。

続編を希望する。
確かに火野映司は幸せな終わり、良き終末を迎えた。しかしながら我々はアンク達と共に明日を掴む姿を心の底から望んでいる。
今作は単体で観れば、マイナス点を探そうと思えばいくらでも上がるかもしれない。
しかし、これは仮面ライダーオーズ2期第1話であり仮面ライダーオーズ序である。

必ず。必ず仮面ライダーオーズタジャドルコンボと仮面ライダーアンクタジャドルエタニティが共に闘う日が来るのだ。

私はそんな明日を強く欲している。

とにかく。めちゃくちゃ泣いた…
それはあまりにも映司くんが幸せな最期を迎えたからだ…その涙は映司くんを喪った悲しみの涙であると共に心から映司くんの幸せを嬉しく思う涙でもあった…




おまけ

しかしこんな調子で続編が10年後とかだったらどうしようか…
次の10年後で映司くんは蘇り、アンクが死ぬのだ…それを10年周期で繰り返す。


これで2人は死と再生を繰り返す不死鳥という概念になったというオチ…

でないことを祈る。

私は遊園地にあるパンダの乗り物と同じなので、お金を入れると動きます。さ、お金を入れてぴんくチャンを動かしてみよう!今度はどんなえげつない動きをするかな??