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サイコゲーム 〜メイドカフェの哀しき花弁〜


第一章 秋葉原の午後

秋の陽射しが、秋葉原の路地に差し込む。アキバの賑わいは相変わらずだった。
御茶ノ水探偵事務所に、ひとりの女性の依頼が舞い込んだ。

「お願いです、御茶ノ水さん! この孤独と絶望から私を救ってください!」

大粒の涙を流しながら、女性はすがるように御茶ノ水の手を掴んだ。御茶ノ水は、冷静な表情を崩さずに、状況を把握しようと努めた。

「落ち着いて話してください。どうかされたのですか?」

女性は、シオリと名乗った。20歳のメイド喫茶の店員だという。つい最近、ストーカー被害にあっているのだと訴えた。

「メイド喫茶でアルバイトをしているんです。そこで、とあるお客さんにストーカーされるようになって...。毎日、待ち伏せされたり、執拗な脅迫まがいのメッセージが来ます」

シオリは震える手でスマートフォンを操作し、御茶ノ水に脅迫メールを見せた。そこには露骨な暴力的な内容が並んでいた。

「いつか、きっとあなたを私の元へ連れて行く」
「逃げたところであなたの行く手は全て掴んでいる」

御茶ノ水は眉をひそめた。ストーカー事件は一筋縄では行かない。敏腕探偵らしい、巧みな判断力が問われる。

「わかりました。すぐにこの事件を引き受けさせていただきます。」

御茶ノ水は、シオリに心からの言葉をかけた。

「お客さまの心配は御無用です。私が必ずストーカーの正体を暴き、事件を解決する覚悟でおります。期待に添えるよう、最善を尽くしますので」

シオリは、うなずいて安堵の表情を見せた。

「ありがとうございます、御茶ノ水さん...!」

第二章 メイドカフェの花弁

翌朝、御茶ノ水はシオリが働くメイドカフェを訪れた。老舗の名店として知られるそのカフェは、流行に敏感な若者で賑わっていた。

メイド服に身を包んだシオリが、案内役を務める。昼下がりにもかかわらず、店内はほぼ満員である。ロリータファッションに身を包んだ少女たちが所狭しと動き回る中、シオリは一旦控え室へと誘導した。

「こちらで詳しく話を聞かせていただきましょう」

シオリは緊張した面持ちで口を開いた。

「実は、ストーカーと思われる方がいまして......ヨウ・マサユキさんというお客様なんですけど、最近は毎日来店されています。私に話しかけてきたり、意図的に近くに寄ってきたりするんです」

控え室の壁に貼られた写真には、どこにでもいそうな普通のサラリーマンが写っている。しかし、その目に注目すると、尋常でないほどの異常性が感じられ、シオリに対し露骨な欲望を剥き出しにしていることがわかる。

「当店ではスタッフを守るための徹底したシステムを導入していますが、マサユキさんのようなケースに対応するのは困難です」

シオリの言葉に、御茶ノ水は静かに頷いた。

「わかりました。しかし、この問題を放置するわけにはいきません。つまり、"メイドカフェに通う顧客になりきることが必要"ということですね」

その日から、御茶ノ水は調査に乗り出す。まずはマサユキの居住地を突き止め、夜陰に乗じて彼の自宅に侵入した。非合法な手法であるが、この異常事態に対処するためには致し方ないと判断したのだ。

第三章 サイコな現場

マサユキの一人暮らしのアパートを捜索したところ、御茶ノ水は驚くべき光景に出くわした。

部屋中がシオリのグッズで一杯だったのだ。壁に無数の写真が貼られており、シオリのカフェ店内での様子が何千枚と収められていた。それも極めて露骨に、わいせつな構図で撮られたものばかりだった。

アルバムを開くと、シオリのさまざまな私生活の場面が切り取られており、気味が悪い筆記が並んでいた。

「太腿と胸だけを見るように、シオリの世界が私の全てを包む」

御茶ノ水は震えた。一人の女性に対する偏執的な執着。この異常な空間は、紛れもなくストーカーによるものであることを示していた。

だが、恐怖はこれだけに留まらなかった。ゴミ箱から発見された大量のシオリの髪の毛、洗濯カゴからはシオリのパンティが発見され、床に滴る粘つく液体。この部屋はもはや、狂気が芸術のように展示された美術館となっていたのだ。

ここは断じてマサユキの家ではあり得ない。あまりに異常なので、マサユキが別の人格、サイコパス的な人格に取り憑かれた証左にちがいない、と御茶ノ水は判断した。

マサユキと名乗る存在が、本当はサイコパスの別の人格なのだ。それが御茶ノ水の推理するところだった。

「これは一体、どういうことだ...?」

御茶ノ水の虫唾が走った。この事件は、かつてない難事件に発展する恐れが大いにあった。

第四章 サイコパスに酔う

御茶ノ水は、マサユキの正体を見極めるべく、メイド喫茶の控室にシオリを呼んだ。シオリの証言を、より詳しく聞く必要があった。

「もう、ほんとに怖くて...」と、シオリは身体を震わせながら語り始めた。

「マサユキさんが入れ替わるように、すごく怖い目つきになることがあるんです」

シオリは恐る恐る打ち明けた。

「いつものマサユキさんとは、まるで別人のように...。その異様な目つきに怖くなって、こわがっちゃうんです」

御茶ノ水は、うなずいて聞き入った。推理どおり、マサユキには一つでない人格が宿っているらしい。これが重要な手掛かりとなりそうだ。

「それでマサユキさんは、どのようなことを...?」

「すごく、露骨な言葉を浴びせられたり...わたしの身体の一部を眺め回すように見たり...」

シオリは瞳を伏せ、震える声で告げた。

「『いつかあなたを私のものにする』と、怖い事を平然と言い放つんです」

そういえば、マサユキの部屋にあったアルバムも、同様の内容が記されていた。

サイコな異常性を感じさせられるマサユキの実態が、少しずつ明らかとなってきた。御茶ノ水は、さらに突っ込んでマサユキの人となりを探ろうとした。

「マサユキさんは、メイド喫茶以外の場所であなたを見かけたことは?」
「ええ...実は、わたしの家の近くで何度か遭遇したことがあります」

シオリの返答に、御茶ノ水の眉根が寄った。これはストーカー行為の典型例だ。

「それと、メールアドレスを知られていて...執拗にメールが送られてきます。お店の上がり口を監視されていたり、尾行されたこともあります」

シオリは必死に訴えた。度重なるつきまとい行為に、恐怖におののいている様子がうかがえた。

「御茶ノ水さん、どうかマサユキさんから私を守ってください...!」

その瞬間、御茶ノ水の頭に驚くべき真実が去来した。

(見た目は一般人のマサユキだが...その裏に隠された人格は、まぎれもない凶暴なサイコパスなのだ!)

サイコパス人格が、シオリに異常な執着を抱いている。そしてシオリを自らの支配下に置こうと、恐ろしい行動に走っているのだ。御茶ノ水の推理はここにきて確信に変わった。

御茶ノ水は気を引き締めた。この事件解決に向け、さらに捜査を続行する覚悟を新たにした。

第五章 サイコサスペンス

御茶ノ水はマサユキの人となりを追及し続けた。マサユキは地方の出身で、都内のITベンチャー企業に勤めるサラリーマンだった。仕事はまじめにこなし、人付き合いにも問題はないように見受けられた。

が、しかし。

マサユキが秘密裏に抱えているもうひとつの人格は、かなり異常な性癖と傾向を持っていた。

メイド喫茶のキャストに狂おしいほどの病的執着心を抱き、その女性たちを完全に支配下に置きたいと考えているらしいのだ。そのためには、露骨な脅迫や付きまといを厭わない。

少しずつ真実が明らかになるにつれ、事態は一層深刻さを増していった。シオリは最大の危険にさらされていると言えた。

折りしも、マサユキが再びメイド喫茶に姿を現した。いつものサイコな目つきで、シオリに近づいてきた。

「こんなところにいる意味はない。私の元へ来なさい」

シオリはおびえながらも、否定の言葉を力なく返した。

「嫌です...私はあなたのようなおぞましい人間とは関わりたくありません」

しかし、マサユキのサイコパス人格は冷酷に切り返した。

「命令に従え。そうでなければ、あなたの家族に危害が及ぶ」

シオリは恐怖に身体を強ばらせた。かつて自分の家族に危害を加えられたトラウマがよみがえり、パニック状態に陥ってしまった。​​​​​​​​​​​​​​​​

マサユキのサイコパス人格は、さらに脅迫の口調を荒らげていった。

「私の言うことを聞かなければ、あなたの大切な人々を傷つけてやる」

シオリは泣き崩れ、御茶ノ水に助けを求めた。その叫び声に気づいた御茶ノ水は、素早く割って入った。

「お手柔らかにお願いします、マサユキさん。この女性を傷つけるようなことは、絶対に許しません」

マサユキは、一瞬御茶ノ水を手にかけようとしたが、すぐにその手を引っ込めた。代わりに猟奇的な微笑みを浮かべると、シオリに言い渡した。

「私はあなたを手に入れる。逃げ場はない。いつかきっと、私の赤い部屋であなたを縛り付ける」

そう言うや否や、マサユキは立ち去ってしまった。しかし、その狂気じみた言葉は、シオリの心を深く傷つけた。

御茶ノ水はシオリを落ち着かせると、膝を交わし、考えた。
マサユキのサイコパス人格は執拗で危険極まりない。いつまでたってもストーカー行為を止めそうにない。状況打開のため、何か究極の手を打たねばならない。

そこで御茶ノ水は、あるプランを思いついた。彼はサイコパスの心理に訴えかけ、それによってこの事件を解決する方法を思いついたのだ。

これが成功すれば、シオリを危険から守り抜けるはずだ。しかし、命がけの大胆な作戦であり、一歩間違えれば最悪の事態を招きかねない。

御茶ノ水は冷静に判断を下した。リスクは高いが、これ以外に確実な方法はない。さっそく準備に取りかかろうと決めた。

第六章 サイコトラップ

御茶ノ水の立てた作戦は、マサユキのサイコパス人格の狂気を、見事に利用するというものだった。

マサユキは、シオリを完全に支配下に置きたがっている。それなら、あえてその望みに応えるふりをして、マサユキを誘い込み、逆にこちらから制圧してしまおうというわけだ。

まずは、マサユキのサイコパス人格に気づかれないよう、シオリが内緒で接触を図る。そしてシオリ自身が、「あなたの赤い部屋に行ってもいいわ」とマサユキを誘惑する。狂気の赴くまま、マサユキが自らの巣に這い込んでくるのを待ち構えるのだ。

そこで一気に御茶ノ水が割って入り、マサユキを確保する。思わぬ展開に狼狽を隠せないマサユキを、うまく拘束できるに違いない。

たとえ力づくで抵抗してきたところで、御茶ノ水ならばマジックを活用し、うまく制圧できるはずだ。マサユキの人格は完全に押さえ込むことができるだろう。

計画は見事に運んだ。シオリがメールで「あなたの部屋に行きたい」と書き送り、マサユキのサイコパス人格はあっという間にはまってしまった。

「いよいよ私の時が来たのか...」

マサユキの目は狂気に燃えた。シオリの誘いにまんまと乗せられ、自らの赤い部屋に呼び込もうとしていた。

しかしその赤い部屋に、御茶ノ水は待ち構えていた。マサユキの落とし穴に、思わぬ落とし穴が待っているのだ。

ついに決戦の時が来た。御茶ノ水とマサユキのサイコパス人格、二人の運命的対決が始まろうとしていた。​​​​​​​​​​​​​​​​

第七章 赤い部屋への誘い

マサユキのサイコパス人格は、高揚していた。シオリから届いた一通のメッセージ──「あなたの部屋に行ってもいいですか?」──に、彼の狂気は頂点に達せんとしていた。

「ついにこの時が来た!シオリを俺だけの赤い部屋に招き入れ、俺のモノとして縛り上げてやる。ああ、なんて官能的なんだ!」

一方で、マサユキの僅かに残された良心が、この衝動を危惧していた。

「ダメだ、これは危険すぎる!やめるんだ!」

「うるさい!シオリは俺のものになる運命なんだ!今こそ彼女のすべてを奪い取るときだ!」

マサユキの中で、正気とサイコパス的人格が激しい嵐のように争っていた。

そんな中、シオリから再びメッセージが届く。

「あなたの赤い部屋で、私を抱きしめて......そうしたら、私のすべてがあなたのもの......」

このメッセージを受けたサイコパス人格は、歓喜に打ち震えた。

「シオリ、君からそれを聞けただけで十分だ!さあ、俺の赤い部屋に君を招待しよう。そこで君を永遠に捕らえる準備は万端だ!」

マサユキは興奮を抑えきれず、シオリに部屋の住所を伝えると同時に、すぐに来るよう促した。

シオリを待つ間、マサユキはある種の儀式とも言える準備を進めた。

彼の"赤い部屋"は、血のように赤く染まった秘密の空間だった。そこにはあらゆる拘束具、太い縄、手錠、SM用の器具などが揃っている。穴の空いた椅子に、首輪、布を使ったボンデージのための小道具も用意されている。まさに、サディストの理想郷と呼ぶに相応しい場所だった。

「シオリは俺だけのものになる運命なんだ。この赤い部屋で、俺は長年夢想してきた究極の悦楽を体験する」

マサユキは不気味な笑みを浮かべていたが、同時に正気の部分が懸念していたことが現実になる可能性が高まりつつあることに気づいていた。

程なくして、玄関のドアをノックする音が響いた。マサユキは勢いよくドアを開けると、そこにはシオリの姿があった。

「こんばんは、マサユキさん。今日は私を招いてくれてありがとうございます。さあ、私をあなたのものにしてください」

マサユキの自我は崩壊寸前だった。わずかに残っていた理性の歯車は完全に崩れ去り、制御不能な狂気が解き放たれんとしていた。

「ようこそ、シオリ。君を待っていたんだ。さあ、俺の"赤い部屋"へ入りたまえ。そこで君を俺だけの特別なゲストとして歓迎しよう」

マサユキの高鳴りは最高潮に達していた。しかし、彼が気づいていない"思いがけない訪問者"が、すでに彼を待ち受けていたのである......。

第八章: 漆黒の狂演

シオリが入室した後、マサユキは狂気に駆られてドアを閉めた。そして、恐る恐る振り返るシオリを見て、悪魔のような笑みを浮かべた。

「さあ、シオリ。君が自ら志願してくれたおかげで、俺は計画を実行に移せる。君をこの部屋に閉じ込め、俺だけの人形にしてやる」

シオリは恐怖に慄き、後ずさりした。

「やめて......離れて!お願いだから!」

「これで完璧だ。さあ、ショータイムの始まりだ」

マサユキは部屋の照明を徐々に暗くしながら囁いた。

「君はもう逃げられない。この部屋で、俺だけの可愛いペットになるんだよ、シオリ」

次第に彼女の目に涙が滲み、恐怖に歪んだ顔が哀れさを漂わせる。

「泣き顔も美しいね、シオリ。その悲痛な表情は、俺にとって最高のご馳走だよ」

シオリはゆっくりと振り返り、赤い部屋の奥に視線を向けた。そこに現れたのは、御茶ノ水の姿だった。

「ヨウ・マサユキ氏、あるいはあなたの内のサイコパス人格へ。私はあなたのサイコな計画を阻止するために、ここにやって来た」

マサユキは困惑し、憤りを感じながらも、御茶ノ水の圧倒的な雰囲気に呑まれていた。

「なぜおまえがここに!? こんな事があるはずがない!それに、なぜ彼女が!?」

マサユキは苛立ちを露わにするが、御茶ノ水の眼差しには恐怖すら感じていた。

「醜いサイコ野郎。お前の汚らわしい欲望に人は屈しない。その非道な振る舞いは絶対に許されない」

シオリは御茶ノ水の背後に身を隠しながら、マサユキに訴えかける。

「あなたの行為は異常ですわ!私を縛り上げ、隷属させようなど、到底許せることではありません!」

マサユキの目は激しく揺らいだ。彼の聖域たる赤い部屋で、まさかこのような逆転劇が繰り広げられるとは想定外だった。

「畜生ッ! なぜだ、なぜ俺の完璧な計画が狂う!」

マサユキは拳を握りしめ、御茶ノ水に飛びかかろうとする。しかし、御茶ノ水はマジシャンのように華麗に動き、マサユキの攻撃をかわすと同時に彼の腕を掴み、捻り上げた。

「無駄な抵抗だ、哀れなサイコ野郎。お前の力は俺には一切通用しない」

御茶ノ水は魔術師のように、マサユキの動きを封じ、手際よく拘束していく。シオリも恐怖に駆られながらも、勇気を振り絞って手助けした。

「ぐわあああ! 何をしている! 離せ、この野郎!」

マサユキの咆哮が部屋に響く。だが、既に手遅れだった。御茶ノ水によって、完全に動きを封じられたのだ。

マサユキのサイコパス人格は、ついに御茶ノ水に捕獲された。この赤い部屋で繰り広げた狂気のドラマは、クライマックスを迎えようとしていた。

第九章: 再誕の序曲

御茶ノ水は、拘束されたマサユキに向かって静かに語りかけた。

「さあ、答えを聞かせろ。お前はマサユキなのか、それともサイコパスなのか?」

すると、マサユキは高らかに笑い、こう宣言した。

「愚かな質問だな、御茶ノ水。私がマサユキであることなど最初から明白ではないか!」

御茶ノ水は眉間に皺を寄せた。マサユキの言葉は、彼の予想を裏切るものだったからだ。

「つまり、お前は本来の人格がサイコパスであり、臆病な人格は偽りの仮面だと言うのか?」

「その通りだ!この私こそが本物の私なのだ!あの弱々しい人格は、私が作った偽りの姿に過ぎない!」

シオリは恐怖に怯え、御茶ノ水の背後に身を隠す。マサユキの目は異常なまでの狂気を宿しており、そこに以前の青年としての面影は微塵もなかった。

「シオリ……彼女は私だけの花だった。私はただ、彼女を独占したかっただけなのに!」

御茶ノ水は、マサユキの内なるサイコパス的人格が、この事件の根源にあることを確信した。理性や倫理観は、彼の欲望を満たすためだけに邪魔者を排除する方便でしかなかったのだ。

「だが、あの偽りの人格が邪魔をした!私の望みを妨ぐ、忌々しい障害だった!」

マサユキは激昂し、自らの狂気に塗れた欲望を爆発させる。

「しかし、もう大丈夫だ。私は真の自分を取り戻した!もう誰にも邪魔はさせない!シオリを手に入れ、永遠に私だけのものとする!」

御茶ノ水は重い決断を下した。この男のサイコパス的人格は、通常の手段では更生不可能であることを理解したのだ。

「ならば、お前に宣告しよう。お前はもはや、一般社会において自由を得る資格はない。お前の狂気は、多くの人を危険に晒す。ゆえに、お前を完全に孤立させ、二度と日の目を浴びることのないよう、私は行動を起こさなければならない」

マサユキは叫び、御茶ノ水に襲いかかろうとするが、もはや彼の力では抗えない。御茶ノ水は容赦なくマサユキを制圧し、拘束が解けないよう注意する。

「お前のサイコな野心は、ここで終わりを告げる。二度とこの世に甦らせはしない!」

こうして、マサユキの暴走は食い止められた。彼は法の下で裁かれ、社会から隔離されることとなった。

しかし、本当の終わりは訪れたのだろうか? この先の物語が、新たな恐怖の始まりであることを暗示するかのように、マサユキの唇元がゆっくりと弧を描き、不気味な笑みが浮かぶ。

いずれ、私は復活する。この魂の牢獄を打ち破り、真の自由を手に入れる日まで…

マサユキのサイコパス的人格は、いつか再び姿を現す時を静かに待ち侘びているのかもしれない。

終焉の先に潜む、新たな恐怖の胎動を予期せず―。

The End ?


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