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オフ会第一回目レポPart1「パイの実事件」


はじめに

いつもより肌寒く、小雨の勢いが強くなりそうな予感を覚える秋の朝。一見すると旅行客のように、小柄なキャリーケースをガラガラと…。
の下りは、ファン倶楽部結成秘話で記載したのでここでは省く。

2022年10月24日。札幌某所。
ファン倶楽部メンバーは予め分担した今村作品を持参し、オフ会の場所へと参集した。
まず一番最初に到着していたのはPさん。
誰よりも早く来ると宣言し、また来なければいけなかったMである自分はまさかの出遅れだ…。(本当にすみませんでした)
扉の前で再会し、初めてのレンタルスペースなるものに戸惑いながらも手続きを経て部屋へと入る。

そこは約6畳の部屋が2つの、1DKのマンションの一室。築年数は大分経っていそうだが、部屋は十分な広さで調度品も揃っている。
オフ会をやるには充分だ。うん、悪くない。
自分が中心となり選定していた場所の為、酷い部屋だったらどうしようかと内心冷や冷やしていたが、部屋の中を見てホッと一安心した。

それからメンバーが続々と到着し、人が増える度に賑やかさと話の幅が広がっていく。
もはや楽し過ぎて記憶があやふやな点はあるが、オフ会での様子が少しでも伝わるよう、以下に箇条書きも用いながら記載していく。


女子が集まればお菓子が集まる

いきなり今村先生と関係ない見出しで申し訳ない。
…が、別記事のメンバー紹介からもわかる通り、現時点でメンバーは全員女性。
女子が集まれば、自然の摂理かのように各々がお菓子を持ち寄り、まるでティーパーティー状態になるのだ。これぞザ・女子会。
なんならケトルも使えると事前に伝えていた為、コーヒーや紅茶、お母さん的存在であるAさんに至っては、粉状のスープまで持参してくれた!
(それがまた「海老の濃厚ビスク」や「完熟かぼちゃクリーム」などすごく美味なのだ!ありがとうお母さん!)

ここでしっかりとナイスプレイをしてくれたのが、やはり長女的存在であるYさん。
みんなが話に夢中になる中、お菓子を広げた写真を撮り、しっかりとTwitterへ投稿してくれていたのだ。

この行動が、後に奇跡を生む。
今村翔吾ファン倶楽部北海道支部の後世にまで伝わる(であろう)、『パイの実事件』だ。

なんと投稿して1時間も経たないうちに、その投稿を今村先生本人がリツイートしてくれたのだ!
しかも一言。

「パイの実好き。」

その時の実際の投稿が…こちらだ!!

正に尊さの極み。
その投稿に気づき、「えっ!?」と声をあげたYさん。
すぐさま先生の投稿を教えてくれて、部屋中に響き渡る歓声が沸いたのは言うまでもない。
事前にオフ会を行うことは投稿していたが、その事が先生に届いてるなんて思いもしていない。それがオフ会中に先生に届いただけに留まらず、反応までしてくれたのだ。

オフ会終了後の北海道支部LINEグループでは、オフ会に毎回「パイの実」を持参することが決まった。
(ロッテ様、今村翔吾先生にCMのオファーいかがですか?←どさくさ)

…それにしても、「パイの実好き」という一言だけで、これだけの女性の心を射止めた作家は、おそらく世界中で今村先生だけだろう。


ファンサ神今村翔吾

オフ会ではまず、思い出話に花が咲いた。
特に今村先生のお人柄については、各々が声を大にして褒め称えた。
まつり旅で今村先生と出会った人ならご存知だろう。
今村翔吾先生の人を一瞬にして虜にするその人たらしっぷりと(最大級の誉め言葉)、サービス精神旺盛なファンへの対応を!

・サイン本作成の予定だったのに、急遽サイン会にしてくれる。
・時間があるからと、その場にいた全員とツーショットを撮ってくれる。
・達筆で流れるようにサインをしながらも、ファン一人一人に声を掛けてくれる。
・たび丸を見せてくれるだけではなく、これは〇〇が書いてくれて、時代小説の先生がここで…と丁寧に説明までしてくれる。
・セブンイレブンで突然突撃したファンと超近距離のツーショット写真を撮ってくれる。(※この特攻ファンは何を隠そう当ファン倶楽部メンバーのI。この詳細については、また別途ご紹介したい)
・予告なくふらっとサイン会の会場に現れ、「おぉ、集まっとるなぁ!」とまるで近所のおっちゃんのようにファンの輪に入って自然と世間話を始める。
・↑その後秘書から「時間なのでそろそろ…」と言われてサイン会が始まる。
・超多忙なはずなのに、ファンの投稿を見てくれていて、サイン会で話すときに「あぁ、Twitterに〇〇って書いてたやろ?」「〇〇のファンの子か!」と声を掛けてくれる。

と、先生のファンサを挙げ始めたらキリがないほどである。
そんなまつり旅の思い出をそれぞれ語っては先生をべた褒めし、「はぁ」と思い出に浸る。
そしてやっぱりみんなが揃って言うのである。


「今村先生はすごい!」

絶対に疲れているはずなのに、常に笑顔で最高の対応をしてくれる。それも直木賞を受賞された作家さんがである。
こんな夢のような事があるだろうか?
他の作家さんのサイン会に行ったことがあるYさんはこんなことも教えてくれた。

「こんな気さくに話しかけてくれる作家さんはいないと思う。
サイン会自体が厳かな雰囲気で、一言二言話せればありがたい。」

「あと…。普通はあんな風にふらっと現れない。笑
ちゃんとお店の人や司会の人にエスコートされて、サイン会始める前にきちんとした挨拶がある。笑」

決して他の作家さんがどうこういうわけではない。普通の定義も人によって違うだろうし、作家さんのお考えもそれぞれだと思う。

だから比べるものではないのだが、初めてお会いする憧れの作家さんと、こんなにも気軽にお話し下さることに驚愕したのは事実だ。
そもそも、サインをしながら話をすること自体至難の業のはずだ。今村先生はご自身でそれが”得意”だと仰っていた。それが先生のファンサレベルが高い要因の1つでもあるのだろう。

そしてなにより今村先生は、直木賞を”祭り”だと言って盛り上げエンターテイメントにまで昇華させた。更にはお礼を伝えたい、自分がやりたいからと、前人未到の47都道府県を巡るまつり旅を見事成し遂げられた。
作家という従来のイメージに囚われず、ご自身のエンターテイナーっぷりを遺憾なく発揮しながら有言実行する。
正に『道なき道を行く』、それが今村翔吾先生なのだ。

本離れが進んでいると言われるこの時代、作品からではなく今村先生の人柄に惹かれて、それから本を読んでみたという人もいるのではないだろうか。
今村作品が面白いのはもちろんのこと、今村先生自身のお人柄にもファンは惚れ込んでいる。
先生のエンターテイメント性も、一つの大きな武器だ。

ただでさえ今村作品は中毒性が高過ぎるのに、今村先生自身も出会った人をすぐさま虜にするファンサ神ときたらこれ最強。
なんせ今村先生という”人”を好きになってしまうのだ。
これはもはや抜け出せない底なし沼。
好きになればなるほど、より深みにハマる。
もう抜け出すなんて不可能に近い。

『今村翔吾のまつり旅』。
それはもしかしたら、全国に今村翔吾から抜け出せないファンを生み出す、先生の緻密な計略だったのかもしれない。
…なんてことはただの誇大妄想だが、そう思わせるぐらい、今村先生と出会った人達は先生の更なる大ファンになったに違いない。
寧ろそんな裏作戦があったとしても、私は喜んで自ら飛び込んでいくだろう。


今村作品勢揃い

今回オフ会を開催するに辺り、今村作品を全員で持ち寄って並べよう!
という話になった。単行本から文庫本まで全て、である。
更には各々が持っている新聞の切り抜きや文芸誌、グッズなどに至るまで持ってこれるものは持ってくることになり、本の割り当ても事前に決めた。
今村先生のファンなら知っていようが、その筆の速さは驚くべきものだ。
デビューから約5年なのに、その冊数には目を見張る。

今村先生の著書をざっとあげると…
・ぼろ鳶シリーズ13冊
・くらまし屋シリーズ7冊
・単行本8冊
・エッセイ1冊 etc
しかも単行本のほとんどは、”鈍器”と呼ばれる程の分厚さを誇っている。

本を見ながら語りたかったのもあるが、折角だから全部並べて写真を撮りたい!今村翔吾先生ファン倶楽部北海道支部、初の記念撮影だ!
と意気込んで、本をいかに綺麗に並べるか、どうしたら全員が写るかを、全員でああだこうだ言いながら試行錯誤。
なにしろ本を並べて記念撮影することは決まっていたのに、三脚はもちろんブックエンドも持ってこなかったのだ。(何故気付かなんだ自分…!)

部屋の中にあるものを総動員して工夫を凝らし、失敗しては本の雪崩も数度発生…。
おそらく30分以上は掛かっただろう。
そうしてみんなの知恵を結集させて撮影した写真がこちら。

今村翔吾先生ファン倶楽部北海道支部
初オフ会記念撮影


正に、壮観。

やり遂げた達成感もあっただろう。全員でしばらく勢ぞろいした本を眺めては、「いい…」と感嘆のため息をついた。
それから本だけの写真撮影も各々行いながら、誰かがふと言った。

「こんな棚が札幌の本屋さんにあればいいのに…」

その言葉に全員が大きく頷いた。
本当にその通り!まつり旅のYoutubeを拝見すると、全国各地に今村翔吾先生推しの書店員さんがいらっしゃって、先生を歓迎する素晴らしい棚や装飾を作られている。
まつり旅時だけではなく、新刊発売日ともなると、今村先生の既刊も合わせて平積みされ、素敵なPOPと共に推されるているのだ。
それがどれだけ羨ましいことか…!!

コーチャンフォー ミュンヘン大橋店様
まつり旅時に特設して頂いた棚
(2022年12月現在もポスターや今村先生直筆のサイン色紙が飾られてます
※撮影にはご許可頂きました)


もちろん書店さんや出版業界の事情もあるだろうし、”推し”と明言することが難しい事情もあるだろうと推測される。
棚を作るのにもその分入荷をしないといけない。仕入れた分売上は上がるか。POPを作る工数=人件費分の利益はあるのか。きっと色んなことを考慮しなければいけないのだろう。

だけども一読者としては、やはり北海道にも推して下さる書店さんがあれば…と、どうしても願ってしまう。
同じ本を買うにしても、より大好きな本屋さんで買いたい、と思ってしまうのも読者心ではないだろうか。
立地的な買いやすさも大事だが、それよりもお店の雰囲気、棚の並び、書店員さんの対応…。本好きにとって本屋さんは特別な場所だから尚更、本屋さんへの想いは強くなる。

その為にもまずは、北海道に今村先生のファンがいることを地道に伝えていかなければいけない。
自分達にできることを一つずつ。
支部メンバーは改めてその認識を新たにした。

Part2へ続く


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