見出し画像

初めてのインド

どこで見たのか、何がきっかけだったのか全く記憶にはないが、大体いつものことである。

私のGoogle mapには異常なまでのピンが世界各国に立てられているが、ほとんどはなぜそこにピンを立てたのか記憶がない。

スクリーンショット 2021-09-17 23.25.35

スクリーンショット 2021-09-17 23.30.11

(たまに良心的だった過去の自分がメモを残していることもある)

南インドのハンピ(Hampi)も、どこで知ったのか全く記憶にないが2016年ごろの私には強烈に行きたい所だったようで、初めてのインド旅行の目的地となった。

Hampiに行くには周辺の都市に行き、そこから夜行バスなり列車なりでホスペット(Hosapete)という最寄りの町まで行くことになる。

新卒で入った会社を辞め、次の仕事が始まるまでの約1ヶ月の休暇を得た私は関空からハイデラバード(Hyderabad)に飛んだ。

初めてのインドとなれば普通ならば万全の準備をして臨むと思うのだが、めんどくさがりな私は英語もヒンディー語も全くできないにもかかわらず

「よし、アライバルビザがあるならそれにしよう」

とE-VISAにしとけばいいものの、ハードモードを自ら選択しハイデラバード空港へ降り立った。

結論から言うと、4人ぐらいの空港職員に囲まれて色々英語で話しかけられるも全く理解できず、あっという間に誰もいなくなり、なんとか入国できたのは約2時間半後だった。

アライバルビザの申請書を書いて30ドルを支払うだけなのに、なぜそんなことになったのか英語力の乏しい私にはさっぱりわからなかったし、待たせているドライバーのことが気になってしょうがなかった。

なんとかゲートを抜け予定より大幅に遅れたにも関わらず待ってくれていたドライバーに「アイムソーリー・・・」としか言えず、ドライバーは終始無言で時速100kmを維持しながらホテルに連れて行ってくれた。

その時のバイパスからの景色や、車内の雰囲気とかをふと思い出す。

ヒンディー語らしき文字で描かれたインドの広告、クラクション、古いけどぶっ飛ばす車とその横をすり抜ける二人乗りのバイク。

そして

「次回からは周りに迷惑をかけないためにも絶対にE-VISAを取得しよう、インドにもう一度来るかはわからないけれど。」

と固い決意をしたのだが、ここから先、私はずっとインドの方々に迷惑をかけ続けていくのだった。

翌朝Hosapeteへ行くための電車を予約するため駅に行くも、今となっては

「インドでカード支払いなんてやめておけ。」

としか思わないのだが、インド初心者の当時の私は「カードで(世界のVISAやしいけるやろ!)」と出すもなぜかエラーで使えず、呆然としていたところにサリーを着こなすマダムが「私のカード使って買いなさい」と代わりにチケットを購入してくれ、さらにはルピーが足りず相当の日本円を渡そうとしても半分も受け取らず、「これからの旅で使いなさい」と両替までしてくれた。

「インドはぼったくられる」

というイメージで、もちろん旅行をする上で警戒心を持つことはとても大切なんだけれども、私はぼったくられるどころか助けられてばかりだった。

(リキシャでのぼったくりはあったが、日本円にしたら大したことないのでよほどの金額じゃない限り気にしないようにしている。というか、そもそも相場がわからない。)

マダムはリキシャもつかまえてくれ、何も見返りなど求めず、私を送り出してくれた。

画像3

和やかに談笑できたマダムとはうって変わって、リキシャのオヤジとは全くコミュニケーションが取れなかった。そしてインドには交通法がなかった。

インドに行ったことがある人はわかると思うが、四方八方から常にクラクションが鳴り続け、リキシャもバイク(2〜3人は余裕で乗ってる)は車間距離も無視してガン詰めしてくる上に逆走行為も珍しくない。

最初はひたすら圧倒されていたが、だんだんイラついて

「うるさーーーーーーーーーーい!!!!!!!!」

と喚きそうだったので、交通法が機能してるマイソールに行った時は本当に感動した。

(ちなみに以前「うるさーーーーーい!!!」と喚きそうになったのは岸和田のだんじり祭りに行った時である。)

私は食い意地が人一倍張っているのと、事前に得ていた「ハイデラバードはビリヤニが有名」という情報から絶対にビリヤニが食べたく「I want to eat ビリヤニ!」と主張しオヤジも「Ok,Ok」といったリアクションをするので任せていたら、道路交通法を無視して着いたところはなぜか遊園地だった。

ハイデラバード

今であれば

「違う!ビリヤニが食べられるレストランに行って欲しい!!」

と主張できるのだが、20代前半で主張ができないインド初心者だったため、オヤジの提案を受け入れて雨の遊園地を見物したのだった。

そもそも遊園地なのか公園なのか微妙なラインで、地元のひらパー以上にしょぼいし人はすくないし、なによりインド製のアトラクションに乗る勇気はなかった。今なら乗るかもしれないが。

その後無事に行ったレストランで食べたビリヤニは、めちゃくちゃ辛かった。

ビリヤニ

ハイデラバード自体はただの都市であまり見どころはなく、観光らしい観光もしなかった。

初めてのインドの地として記憶に残っているのは

深夜のバイパス、親切なマダム、激辛ビリヤニと口直しの蛍光グリーンのアイス、そして鳴り止まないクラクション

これが私のインド初日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?