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聴衆を引き込む演出の妙

しばらくの間、DAF22のネタを断続的に
ここに書いていくと思う。
人に勧めたくなる要素があまりにも多い
のである、ご容赦願いたい。

このDAFというイベントに参加したのは、
昨年の12月が初めて。
主催者であり名MCの西澤氏とは、
友人を介して一度お会いして以来、
10年以上Facebookでつながっていた
ものの、
「なんか面白そうなイベントやってる」
程度の認識しかなかったというのが
正直なところ。

一体何が引き金になったか、
今となっては全く記憶にないのだが、
一度はお邪魔したい!と強く思う
きっかけが何かあったのだろう。
とはいえ、お酒飲みながら気軽に
参加とあるし、とりあえず物は試しで
行ってみよう!位の軽いノリ。

しかし、実際に参加してみたら、
いやもう何が驚きかって、
登壇者のレベルがいちいち高い!
高すぎる!
こんな人たちを軒並み取り揃えて、
この値段で実施して、一体どうやって
元を取ろうというのか?

しかも、この「10分しか話さない」
スタイルが、プレゼンターの主張の
余計(?)な部分を削ぎ落して、
最も重要、最も大切な要素のみに
集中することを強いるから、
いちいち中身が濃い。
そして、次々に登壇者が入れ替わり
異なるメッセージを発するから、
全く飽きることがない。

すごいフォーマットを開発したもの
だと、畏敬の念を抱くと共に、
ここで登壇して話が出来るくらいに
自分を高めたいものだと、
心のどこかに火が点いた。

そして、優れた登壇者の中にあって、
特に「この人は真のプロ」と唸りたく
なる人が数人いた中の筆頭、それが
長谷川孝幸さんであった。

「風土刷新コンサルタント」
を名乗るプロの研修講師。
体型を気にせず堂々と際どいコスプレを
している姿は、人によって好き嫌いが
あるかもしれないが、それを含めて
プロ意識の塊!な方である。
(今回は珍しくコスプレなしだったが)

今回の長谷川さんのテーマは、
『人の話なんか長い時間聞きたい奴
 なんていないよ』
というもの。
DAFには、プレゼンの内容を二文字に
凝縮して伝える「枠名」という制度が
あり、長谷川さんのそれは【1分枠】
というもの。

タイトルの通りで、人は基本的に
他人の話に興味がない。
自分のことにしか興味がないのが
「標準装備」だと思った方がいい。
だから、話をするときは出来るだけ
短くしなさい、どうせなら1分で
話そうよ、そういうことだ。

そのことを、より効果的に、聞き手の
頭にこびりつくように、どうやって
演出するかが腕の見せ所。

壇上に登場するなり、いきなり
ムッツリ黙りこくる長谷川さん。
1分間がどの程度の時間なのか、
というのを、無言で過ごすことで
観客に体感させようという趣向だ。
ご丁寧に「放送事故ではありません」
というフリップまで持ってきている。

こうして、1分という時間が
「意外と長い」
という実体感をさせておいた上で、
1分で話すことの効用、
具体的な1分の組み立て方
(結論-要約ー結論の三段構成)、
1分で話すための様々なテクニック、
1分で話す上での心構え、
そういった内容を、これまた
全て「1分」単位で8個程用意して、
それらを代わる代わる披露。
最後にまとめを入れて、
「ちょうど10分、ハイさようなら」
お決まりの台詞で壇上から去った。

1分を10回繰り返せば10分になる。
1分の感覚を、常にストップウォッチを
持って日頃から体に覚え込ませておく
ことで、時間をコントロールする術を
身に付ける。
こんなにプレゼンが上手な人でも、
ストップウォッチを手放さないのか!
いや、手放さないからこそこんなに
名人芸のようなことができるのか!
そんなことにも驚いた。

個別の知識やテクニック、心構えも
勿論素晴らしい内容だが、何より学ぶ
べきはその構成の緻密さ。
そして、何が何でも10分ピッタリで
終えるプロ意識、プロ根性。

1年前に拝聴したときに比べて、
自分も少しは成長したかも、と
感じたのは、長谷川さんが常に時間を
意識している様子に、わずかながら
気付けたこと。
プレゼン中に時計をしっかりと確認
している視線を感じて、あー、やはり
常に現時点を確認しながら、頭の中で
残り時間をどのように使うか緻密に
計算しつつ話しているんだ!
と思える瞬間を垣間見られた。
1年前には気付けなかったことだ。
それにしても、そうやって常に外からの
フィードバックを取り入れながら、
今話していることを見失わずに、
あれだけ流暢に話し続ける様子は、
正に圧巻である。

思い返すと、自分がマーケティングの
セミナーを主催
しようと思い立った
原点は、1年前のこの場所で、
長谷川さんをはじめとする見事な
プレゼンターたちに刺激を受けて、
自分も伝えるべきコンテンツがある!
と思い至ったからかもしれない。

しかし事実、1年後のこのDAFを、
副業のメニューにセミナー講師を
加えた状態で迎えた。
行動すれば、意外と簡単に現実は
変えられることを、身をもって
知った。

次の1年で、一体どんな自分へと
進化できるか、新たなチャレンジだ。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。