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お客様の「使い方」を想定した商品提案

打ち合わせを前に、ちょっと小腹が
すいたなぁと思い、コーヒーを買う
ついでにお茶菓子を買うことにした。
私の分だけでなく、打ち合わせに参加
するみんなでつまめるものが欲しいと
思い、セブンイレブンの店内を物色。

最近は、セブンプレミアムが随分と
充実しているなぁと感心しながら
眺めていたときに、目に留まったのが
こちらの「洋菓子ミックス」。

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製造元はブルボンとなっており、
定番のルマンドも入っているという
ことと、5種類のアソートという
提案が大いに気に入り、お買い上げ。

後日調べてみたら、この手の
「洋菓子ミックス」、恐らく出始めが
2017年春ごろで、各社微妙に売りの
ポイントをずらしながら、激しく競争
していた模様。

「競争」とは言ったが、実はコンビニ
大手三社のいずれも、商品の供給元が
ブルボンだという点が面白い。
(上記リンク先の2017年現在の話で、
2020年現在のファミマ、ローソンは
個人的には未調査)
いわゆる「PB」ではあるものの、
いずれもブルボンの名前が確認できる
「ダブルチョップ」と呼ばれるタイプ
の商品である。

どのコンビニも、品揃えに欠かせない
と判断した気持ちは分かる気がするし、
多少内容が変わっているようだが今も
セブンの店頭に並んでいるところから、
消費者もこの商品を支持していること
が見て取れる。
コンビニの棚は、売れないと本当に
あっという間に弾き飛ばされる運命。
そこを2年も3年も生き残るというのは
実力のある証である。

なぜそんな実力があるのか。
とても単純な話で、お客様の隠れた
ニーズをガシッとわしづかみに
しているからだ。

お茶菓子、お茶請けを出す側の心理
として、
「何か気の利いたものを出したい」
「お客様のお口に合って欲しい」
というものがあるだろう。
いわゆる定番のものなどを適当に
買ってきて出しておけば十分かも
しれないが、出したその一種類の
お菓子が手付かずだったとしたら、
「選択をミスった!」
ということになる。

まぁ、お茶菓子にそこまで気を遣う
人がどこまでいるか、定量化したこと
などなく、あくまで推測にすぎない
わけだが、そういうことを避けようと
思う心優しいお茶菓子担当は、きっと
複数のお菓子を買い置いて、自分たち
の手で「アソート」を作るのだ。
そういう人たちが少なからずいる。

メーカー側からは、購入した先で
そうやってミックスしてアソートを
作るという使い方まで見ていること
は稀なはず。
お客様からヒアリングした結果、
そのニーズに気付いたのか、
開発者がそういうニーズがある!
と確信して進めていたのか、
内情は知らないが、お客様がこの手の
お菓子をミックスしてお茶菓子に
供するという使い方をしていることを
きちんと把握して商品化したことが、

今も売れ続ける理由に違いない。

「売った瞬間」が終わりではない。
「使った瞬間」まで把握して、それを
次の販売機会に生かすこと。
セリングとマーケティングの違いは
この意識の違いだとも言える。
「お菓子ミックス」は、しっかりと
マーケティングの意識を持って作られた
からこそのロングセラーなのである。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。