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Amazon Music の仕様変更の是非

今月頭から、Amazon Music の仕様変更
実装され、諸々物議を醸している。
Yahoo!ニュースでも取り上げられており、
Twitterでもトレンド入りしたので、
ご存知の方も多いだろう。

私もユーザーだが、Amazon Prime会員と
しての枠内での使用
で、別途料金を払う
Unlimitedの会員ではない。

Primeの年会費4,900円を払っているので、
Amazon MusicやAmazon Prime Videoを
無料で楽しんでいる。
無料の範囲で十分様々なコンテンツが
楽しめるので、あえて有料の範囲にまで
手を伸ばすこともなかった。

Musicの方は、ダウンロードが許される
楽曲数にかなり制限があるものの、
それなりにリッチなプレイリストが
作成できて、個人的には十分満足して
いたところ。

それが、今月から、こともあろうに
・聴きたい曲を自由に選べない
・プレイリストに入っていない曲が
 勝手に流れる
・曲送りや曲戻しに回数制限がある
などなど、ユーザーの使い勝手をかなり
制限する「改悪」となったのだ。

もちろん、Amazon側としては「改悪」
などとは思っていない様子。
少なくとも、公式のスタンスはそうで
ある。

200万曲しか聴けなかったのが、
1億曲以上、つまり50倍もの曲数を
提供することになったことは、
確かに「改善」だろう。

しかし、記事にあるAmazon側のコメント
には、いくらなんでも適当すぎないか、
という感想を抱いた人は私だけではないと
思うところである。

「多くのプライム会員のお客様はバックグラウンドで音楽を再生するというリーンバックなリスニングスタイルを好まれているので、そのニーズにも対応させていただきました」

「多くの」とは一体何%なのだろうか?
きっとAmazon内部で、過半数なり2/3なりの
基準を設けて調査をしたのだろう。
しかし、これだけ大胆な仕様変更だけに、
BGMとしての利用以外のニーズを持つ
潜在的反対派が、強烈なアンチになるリスクが
容易に推測できたはず
だ。

「リーンバックなリスニングスタイル」とは
一体どんなスタイルを指すのだろうか?
直訳してしまうと「ふんぞり返って聴く」
という意味合い。
要は、自分で手を動かさずに、与えられる
音楽をそのまま聴き続けるような受け身の
スタイル
を指す。

そういう「多くの」受け身のリスナーの
「ニーズにも」応える
のが今回の仕様変更と
いうわけだが、それにしても大胆であり、
驚きを抑えられない。

購入したアルバムもシャッフル再生するようで「Kindleで購入した本を読もうとしたらいきなり他の漫画に飛ばされても許せるか?」といった声もあった。

記事内に、こんな皮肉っぽい比喩を
用いた消費者からの痛烈な批判
も紹介
されているが、かなり多くの顧客の
反応を代弁しているのではないかと
私自身感じている。

上記記事を読むまでもなく、
有料サブスクサービスであるUnlimitedへの
加入者をできる限り増やすために、
無料版のユーザーに対する扱いを不快な
ほどに下げ、有料版へのアップグレードを
志向する顧客を取り込もうとする目論見

としか考えられない。

Primeのサービスは多岐にわたっており、
Musicはその一部という認識なので、
多少使い勝手が悪くなっても文句を言う
顧客が少ない可能性は確かにある。

恐らくは、モノ言う顧客とモノ言わぬ顧客の
バランスも把握した上で、強引であっても
仕様変更に踏み切った方が、よりAmazonに
とってのメリットが大きい
、そんな判断が
内部で行われたのだろう。

個人的にはとても残念な結果だが、
経営判断として正解だったか否かは、
今後数年経った時の市場環境を見て
答え合わせをしたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。