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マーケティングは「なりすまし力」

一昨日、昨日と連続で、
ボーダレスグループの創業者、
田口一成さんの著作
『9割の社会問題はビジネスで解決できる』
からの学びを紹介している。

彼は、よく

「マーケティングは、なりすまし力だ」

と周囲に言っているそうだ。

お客様に何度もヒアリングをする。
そのマインドを理解しようと努める。
自分がそのお客様だったら、本当にこの
商品を買うだろうか?と自問自答する。
つまり、自分がお客様になりきった、
なりすました上で、「買いたい!」
となったなら、それが発売OKの合図。


実際に、お客様のマインドを完全に
理解できるようになるかと言われれば、
それは難しいはずだ。
年齢、性別、生来の性格、生まれ育ち、
様々な要素から成る「人のこころ」は、
そう簡単には理解できない。

それでも、やはりお客様のマインドを
理解しようとする努力を怠れば、
思うようにはモノは売れない。

マーケティングで大切なことは、
孫子の有名な言葉に集約できると
思っている。
それは、

敵(彼)を知り、己を知れば、百戦危うからず。

というもの。

お客様を「敵」になぞらえるのは
あまり適当ではないが、
ビジネス上の用語は往々にして
戦争にその語源を持つものが多く、
「ターゲット」をはじめ注意して
使うべきものが多い。

それはさておき、
ここでいう「敵(彼)」こそが
お客様に相当する部分。
お客様のことをよく知り、
なおかつ自分自身のことを
良く知ることさえできれば、
何回やっても勝てる
ということ。
つまり、ビジネスで言えば、
何回も買ってもらえることに
なるのだ。

お客様のことをよく知るべき、
ということで、田口氏も
「何度もヒアリング」すると
ある。
売れなかった場合は、
ヒアリングが甘かった、
まだお客様理解が足りなかった、
そのように受け止めて、
再度ヒアリングをする。

そうやって、フィードバックの
ループを何度も繰り返すことで、
「なりすまし力」を向上させて
いくことが、マーケティング力の
向上につながっていくのだ。

これとは真逆の主張、すなわち
「お客様の声なんて聞くな!」
という主張をする人もいる。
お客様というのは、あくまでも
自分で想像できる範囲でしか
モノを言わない。
自分が本当に欲しいモノを、
上手に表現できるとは限らない
し、むしろそれを期待するのは
無茶である。

だから、お客様の本音はこうなの
ではないか?と自分たちで仮説を
立てて、「これがあなたの欲しい
モノではないですか?」と提示する
ことこそ、マーケティングが本来
やるべきこと
である、そういう
主張である。

正直なところ、どちらも正解だし、
どちらも不正解たりうる。
というのが私の偽らざる感想だ。

モノを売る側が抱いている目的と、
お客様が置かれた状況とによって、
お客様にヒアリングをするべきか
否かは変わってくるだろう。

いずれにしても大事なのは、
お客様に満足してもらえる選択肢を
最終的に提示すること。

そのためには、ヒアリングをしても
しなくても良いが、少なくとも
お客様をよく知ること、観察して
おくことは必要だと思われる。


3回にわたって取り上げたが、
この本の面白さは、実は
ケーススタディにある。
私のnoteでは、ケースの説明を
する紙幅がないので省いたが、
ソーシャルビジネスに興味がある
人は是非一読をオススメする。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。