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イノベーションとマーケティング、どちらが大きな概念か

私がマーケティングを生業にしている
関係で、このnoteでは何度となく
「マーケティング」の話が出て来ると
共に、「イノベーション」の話も
出て来ることが多い。

企業の基本的機能は、
マーケティングとイノベーションの
二つしかない。
そう喝破したのはドラッカー。

私個人的には、マーケティングとは
市場を創造し、さらにそれを大きく
したり活性化することだと捉えて
いるので、イノベーションも広い
意味でのマーケティングに包含される

だろうと考えている。

しかし、先日ドラッカーの
『プロフェッショナルの条件』
読書会で、私の考えとは真逆、即ち
マーケティングがイノベーションに
包含されるのではないか?

という趣旨の発言が、参加者のお一人
から挙がっていた。

イノベーションというのは、
元々はシュンペーターが説き始めた
概念である。

ドラッカーが幼少の頃、実家には
このシュンペーターが出入りして
いたというエピソードは割と広く
知られるところ。
彼の提唱したイノベーション概念に
ドラッカーが精通していたことは
想像に難くない。

シュンペーターのイノベーション
理論では、イノベーションを次の
5つに分類している。

新しい財貨、すなわち消費者の間でまだ知られていない財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産
新しい生産方法、これは決して科学的な新しい発見に基づく必要はなく、商品の商業的取り扱いに関する新しい方法をも含んでいる
③原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
新しい組織の出現
新しい販路の開拓

『日経ビジネス』まとめ記事より転載

よく読めばわかる通り、
一般的に想起される「画期的」な、
あるいは先進的なイメージとは異なり、
新しい「価値」さえもたらすことが
できればそれはイノベーションになる
と言える。

イノベーションの日本語訳が
「技術革新」とされることが多く、
本来的な意味合いが少し曲がって
解釈されているきらいがあり、
「新結合」という訳の方がより
しっくり来ると言えるのでは
ないか。

この「新結合」の具体的な方法が、
先の①~⑤になるわけだが、
確かに字面だけを追うと、①②⑤
あたりはマーケティングのことを
指していると言えそうだ

そこに③や④を足すことで
イノベーションになるのだから、
イノベーションはマーケティングを
包含する、そんな見立ても十分に
成り立ちそうに思える。

私自身の見解は、上記の通り、
やはりマーケティングの方が
上位概念だろうというもの。
下記でも触れた。

とはいえ、答えがどちらだとしても、
ある意味「言葉遊び」の範疇を出ない。

ドラッカーが喝破した、
企業の基本的機能である二つの
概念の共通点が「価値の創造」。

結局は、実践でどれだけお客様に
価値を届けることができるか

最後はそこが大切なのだ。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。