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素材としての肉のアピールに感じた違和感

今日は一日夏休みをいただき、朝から
ランニングで汗を流し、溜まっていた
野暮用をガシガシと終わらせた。
そして、夜は主催のマーケティング
セミナー、今期最終回ということで
全6回のうち5回をZOOMのみでやって
来たところ、初のリアル+ZOOMの
ハイブリッド開催に挑戦する。

朝のランニング時に、通り過ぎた
安楽亭で、自分にとってはとても
違和感のあるのぼりを見かけた。
「自然肉」
という言葉が大きく踊っているのだ。

折しも昨日のnoteで、「林SPF」という
ブランド豚肉の話を書いたばかり。

肉って自然以外にあり得るの?
「自然」の反対は「人工」だけど、
「人工肉」って何?
ひょっとして、話題になっていた
大豆から作る「肉」を意識?
でもまだそこまで広がっている
感じじゃないよねぇ・・・?
頭の中が「???」となった。

彼らのウェブサイトに行ってみると、
要は「脂肪注入肉」とか「結着肉」
といわれる「加工肉」ではないよ、
という意図で「自然肉」という言葉
を使っているようだ。

とんかつ屋さんが素材としての肉を
アピールするのに、「林SPF」という
ブランドを上手く使っている例に
出会った話を書いた直後だったので、
もう少しやりようがあるのではない
か、そんな思いを持った。

よく読めば、「自然肉」の意図する
ところは分かる。
しかし、のぼりにドーンと大きく
その言葉だけ*が書いてあると、
当然ながらその意味は推測するしか
ないし、興味があれば私のように
調べてくれるとしても、そんなに
沢山の人が調べてくれるかというと
正直期待薄だろう。

*「自然肉」だけではなく、前に
「100%」と付いていたかもしれない。

キャッチコピーの作り方として、
わざと強烈な違和感を感じさせて
モヤモヤを引き起こし、自ら調べて
くれるように仕向ける、という考え
方もあり得るだろう。
ただ、ウェブサイトを見ると、最も
上位に来ているのは「無添加」の
言葉で、店舗ののぼりでピックアップ
していた「自然肉」はその下に位置
付けられている様子。

「無添加」とか、「加工肉不使用」の
ような表現の方が、「自然肉」という
とても不自然に聞こえるコピー表現
よりも消費者の耳にすっとなじんで
くる、そのように感じた次第。

こういう「違和感」を感じるブランド
体験をしてしまうと、この安楽亭と
いう店舗に行ってみたいという気持ち
は起こらず、自分がいざ焼肉を食べ
たいなぁと思った時に頭の中に思い
浮かべる選択肢の中からは、
半ば自動的に削除されてしまう。

たかがコピー一つで大げさな、と思う
かもしれないが、自分が手掛けている
ブランドでも同様のことが起こらない
とも限らない。
そんな危機感を持って、消費者の賢さ
に対して最大限の敬意を払いながら
仕事をしなければならない、そんな
気持ちにさせられる出来事だった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。