BASE FOODの販促展開に驚く
BASE FOODの什器がコンビニの店頭に
置かれているのを見て、一連の投稿を
したのはもう1年以上前。
その後も順調に売上を伸ばしている
様子。
投資家向けに美しくまとまった情報が
ウェブサイトで開示されているので、
ご興味ある方は是非ご一読されたい。
最近、最寄りのセブンイレブンでも
取り扱いを広げていたので、
久々にBASE BREADをランチ用に
購入してみたのが冒頭の写真。
レーズンの入った「ミニ食パン」で、
2枚入りが250円程の価格だったと
記憶している。
この商品のパッケージの左上に、
QRコードと共に「500円OFF!」と
「クーポンはこちら」の文字が
躍っているのが分かるだろう。
コードにアクセスすると、
BASE FOODの公式LINEに飛ぶ。
そこでアンケートに回答すれば、
初回限定の500円OFFクーポンが
手に入るという仕掛け。
ここでLINEのお友だちになって
しまえば、後はクーポン送付を
絡めつつ、様々なプッシュ通知で
存在をアピールしてくる。
クーポンをゲットする意欲が
多少なりともあるからこそ、
サイトにアクセスしてきた私を
含む客たちは、間違いなく
「有望な見込み客」。
そこからは、サブスクモデルで
長期的な関係性を築こうと、
あの手この手のアプローチだ。
初回500円OFF!だけでなく、
初回は20%OFF!の大盤振る舞いが
元々設定されているので、
トータルで「1,298円お得」という
生々しい割引金額提示があった。
他にも、顧客が購入する決断を
邪魔するハードルを一つひとつ
打ち破るべく、
・解約縛りなし(安心!)
・賞味期限1ヶ月(長い!)
・毎月の注文不要(便利!)
・2回目以降も10%OFF(お得!)
といったコミュニケーションを
仕掛けて来る。
マーケティングの定石通り、
教科書通りの打ち手を、
次々と繰り出してくるのが
小気味よいと思えるほどだ。
今回、何に驚いたかというと、
このQRコード経由でサブスクへと
誘導するスキームを、小売店側が
許しているように見える点。
取り扱う小売店側とすれば、
折角買ってもらったこの商品を
お客様が気に入り、それを
目当てに再来店してくださるのを
期待したいところ。
しかし、サブスクに誘導されて、
そちらで購入してしまったら、
小売店側は将来の見込み客、
見込み売上をみすみす失うわけだ。
そんな仕組みを店頭展開するのは、
小売店側からすれば不愉快に
違いないはずである。
それでも現にこの販促スキームを
展開しているということは、
小売店側もBASE FOODを取り扱う
メリットが十二分にあり、
サブスクでリピーターを持って
いかれたとしても十分にうまみが
ある商売だと納得したはず。
いくつか仮説が考えられるが、
BASE FOOD商品の利益率が、
他の商材に比べて高めに設定されて
いるため、初回分が売れるだけで
十分に小売店側が儲かる、そんな
単純なオチの可能性が高いと
踏んでいる。
他には、BASE FOOD社の株式を
小売店側に取得してもらい、
サブスクで売れても小売店側の
メリットになるようアライアンスを
組んでしまう、そんなワザも考え
られるが、同社の株主構成をパッと
見ただけでは、その要素を窺い知る
ことまではできなかった。
小売の店頭という、最も消費者の
目に触れやすい「メディア」を
大々的に獲得して、積極的な攻勢に
出ているように見えるBASE FOODが、
今後更なる飛躍を遂げるのか。
売上高こそ、直近の期で100億円に
迫る勢いだが、同時に赤字幅も拡大
しており、今後の行方を注視して
いきたい。