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待たされ、じらされると人は

行列ができていると、
「おっ、何だろう?」
「流行ってるのかな?」

と気になるのが人の性(さが)。
行列が行列を呼び、
評判が評判を呼んで、
しばらくの間行列が途切れなくなる、
などということが起こる。

欲しいものがすぐに手に入らないとき、
サッとあきらめる人もいるにはいるが、
逆に「待ってでも欲しい」という
気持ちにさせられる人が多い。
人の心というのは、厄介なものだ。

話は少し変わって、私事であるが、
ここ1年ほど、毎朝配信される
「朗読のサブスク」
サービスを楽しんでいる。
毎日5分程度、ほんの束の間ではあるが、
これが非常に良い癒しとなっている。

先日、このオンラインサロンのオフ会が
開かれた。
同じ趣味というか、同じサービスを
楽しんでいる者同士、集まって
ワイワイガヤガヤと雑談をする。

毎回、事前に司会が決められていて、
その司会が何らかの簡単な企画を立て、
交流を促す
ことになっている。
今回は、私が司会を拝命した。

このオンラインサロンが始まって、
丁度まる1年となるので、
この1年間を振り返って、人気のある
朗読作品をランキング化
したらどうか、
そんなことを考えた。
また、過去どんな作品を朗読してきたか
ジャンル(カテゴリ)分けして、
その割合を分析
してみると、
何か面白いことが分かるかもしれない、
そんなことも思い付いた。

ランキングについては、Googleフォームを
使って早速アンケートを配布。
ジャンル分けについては、先生から作品の
リストを預かって、Excelでごくごく単純な
分析作業
を実施。

今回やってみて分かったことのうち、
特に興味深かったことを共有したい。

このサービスは、毎日5分という制約がある一方、
作品の方は5分以内に読み終わるものもあれば、
朗読に何十分とかかるものもあり、
後者は何回かに分けて朗読することになる。
特に、300回近くの朗読回数のうち、
約半数を占めた「物語」ジャンルは、
どうしても続き物が多くなる。

通常、続き物は連日続けて通読するのだが、
うち2作品だけは「毎週〇曜日」のような形で
配信
された。
その2作品のうちの1つが、アンケートの結果
他を寄せ付けない票数で1位を獲得したのだ。

もちろん、作品自体の魅力が高かったという
要素は大きいのであるが、
この配信形式、「続きは来週」方式が、
意図せずともリスナーの飢餓感を煽り、
「早く次回を聴きたいなぁ」という心理を
醸成
して、投票数の上積みに貢献したのでは
ないかと推測するのである。

そこで冒頭の行列の話につながる。
待たされる、じらされる、というのは、
人の心を掴むもの
なのである。

とはいえ、あえて意図的に長く待たせたり、
やたらとじらす状況を作るというのは、
この高度に情報化が進んだ現代では
なかなか通用しない。
「見え透いたヤラセ」として一刀両断され、
閑古鳥が鳴くリスクを生むだろう。

人気が出た結果、不本意ではあるが行列が
長くなってしまったとか、
準備の都合上、どうしても時間をおいての
サービス提供にならざるを得ないとか、
何らかの「正義」があってのことならば、
お客様は喜んで待ってくれる。

あくまでも、お客様に対しては真摯に
向き合うことで、信頼を獲得するのが
望ましい。
お客様とは中長期の視点でお付き合い
すべきと考える。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。