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「八海山」101年目のチャレンジ

1983年創業の酒蔵、八海醸造
新潟を代表する地酒のひとつである
「八海山」を世に送り出し、
ちょうど100年の節目を迎えた
ところである。

その八海醸造が、ニューヨークに
大型の蔵を構える会社と提携
し、
「SAKE」の魅力を発信していくとの
ニュースを目にした。

酒蔵の海外進出としては、
「獺祭」で有名な山口の旭酒造が、
随分前からパリに進出するなど、
先駆けて動いているのが有名である。
その後、桜井社長がニューヨークに
移住して酒造りを始める
と聞いていたが、
上記記事にある通り、丁度今年の秋から
酒蔵の営業を開始
したようだ。

日本にいて、インバウンド需要に勢いを
得て喜んでいるだけでなく、積極的に
海外へと打って出てくれることは、
我々日本人にとって喜ばしいことだし、
現地の消費者にとっても良い選択肢が
増えて、非常に好ましいこと。

そんな進取の気性に富む八海醸造。
南雲二郎社長が筆を執ったような見え方の
雑誌記事風広告で、「八海山」ブランドの
訴求
を行っていたのも見た。

恐らくは、創業101年目の今年から、
新たな機運を高めるべく準備を重ね、
練りに練った経営戦略を基に矢継ぎ早に
アクションを繰り出している
のだろうと
推測するところ。

先のニューヨークへの展開の前に、
新たにロゴを刷新
100年貫いた志「いい酒を造る」を基に
しつつ、「終わらない会社」を目指して
様々な事業の可能性を追求することを
宣言している。

具体的なアクションとして、
「麴だけでつくったあまさけ」
「ライディーン」というクラフトビール
等の新しい収益の柱となる商品への注力
100周年記念酒「八海山 百」
(750ml、12万円税別)の限定販売

地元・南魚沼市の里山に設置した二つ目の
酒蔵を中心とする新たな観光拠点の開発等、
随分と思い切ったものが目立つ。

どれもこれも、新たな「価値」を創り、
その価値に見合った価格を付けようと
している
点においては、終始一貫した
ものが感じられる。

昔は、日本酒業界の慣例とやらで、
価格が横並びだったという。
しかし、「いい酒を造る」ために原価を
上げざるを得ず、慣例に従ったままで
商売していては酒造りの持続性が担保
できない
と考えた先代が、横並び追随を
キッパリ止めた
そうだ。

当初は向かい風もあったらしいが、
逆に八海山の品質に目を留めてくれる
人も増え、ブランドとして大きく飛躍
するきっかけ
となったらしい。

自分たちの造る酒の品質に妥協せず、
価値あるものに仕上げた上で、
適正な代価をいただく。

結局、価格を高く吹っ掛けることも、
安くし過ぎることも、いずれも
消費者をないがしろにする行為

なるのだ。

高く吹っ掛けるのは、強欲に利益を
取ろうとする卑しさ、さもしさを
持っているということで、消費者と
しては許し難い行為
である。

安くし過ぎる方は、消費者にとって
むしろ良いことでは?と思う方が多い
かもしれない。
しかし、それがために本当にその商品を
欲しい人が買う機会を逸する
など、
消費者が中長期的に不利益を被ることに
なるリスク
は小さくない。

あくまでも、価格と価値の適正なバランスを
維持
しながらビジネスを回していくことが、
消費者と自社とのWin-Winをもたらすことに
つながるのだ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。