敷居下げ、市場を広げる「ちょこざっぷ」
週末にランニングをする際、
よく通る道に、以前美容外科があった。
最寄駅から10分弱かかる場所なので、
決してアクセスが抜群とは言えないが、
そこそこお客様が入っていた様子。
最近、その最寄り駅の至近、徒歩30秒の
新築ビルに引っ越した。
その美容外科の後釜に入り込んだのが、
最近話題の「chocoZAP(ちょこざっぷ)」
であることを最近発見。
ちょこざっぷと言えば、安い利用料金で
急激に拡大しており、知らない人を探す
方が大変なのではと思う程に、ここの
ところ大きな話題をさらっている。
今年に入って早々の記事だったが、
日経でも取り上げられており、
「コンビニ型ジム」という括りで
分析されていた。
記事にもある通り、
「タイパ」(タイムパフォーマンス)
重視派を取り込む形で、市場における
競争が激化している。
RIZAPは、元々ハードなトレーニングを
パーソナルな形で提供し、
結果にコミットするという売り文句で
業績を伸ばしたジム。
結果で勝負ゆえ、価格帯もかなり高く、
お客様の層は限られていた。
そもそも、ジムを利用する人自体が、
それなりに余裕資金があり、
なおかつ健康に強い関心を持つ層。
そうなると、ターゲットはかなり
限られるわけだ。
しかし、余裕資金がなくとも、
健康に関心を持つのはほぼ万人共通。
敷居を下げることで、広大なマーケット
開拓の余地があると判断し、
ちょこざっぷという新業態で打って出た。
このように、敷居を下げる試みは、
既に多くのプレイヤーによって
なされている。
最も顕著な例は、「女性専用」を高らかに
うたうカーブスであろう。
男女入り混じっているジムに行くのは
恥ずかしい、
バリバリ鍛えている人たちの中に入る
のも恥ずかしい、
そんな女性たちのインサイト(ホンネ)を
捉えて、躍進してきた。
これまで、ジムになど通おうとは
思っていなかった、でも健康には
関心がある層に、できるだけ敷居を
下げることで、市場を広げてきた
功労者であることは疑いない。
他のプレイヤーで目立つのは、
24時間いつでもトレーニングできる
ことをウリにした「ANYTIME FITNESS」
や、「FIT24」あたりだろうか。
自分がトレーニングしたいときに、
いつでも開いているというのは、
極めて便利、ハードルが下がった
状態にしてくれている。
その意味で、これも「コンビニ型ジム」と
言えるが、ちょこざっぷのように
「普段着でOK!」というアプローチとは
根本的に異なり、あくまでも提供する
トレーニング環境は本格的。
このように、敷居を下げると一口に
言っても、やり方は千差万別。
見方を少し変えれば、これはフィットネス
市場のポジショニングをどう考えるか、
その争いである。
いずれにしても、創意工夫を凝らして
新しいお客様を取り込もうとする
プレイヤーが増えることで、市場は
活性化する。
コロナの影響で大打撃を受けていた
フィットネスクラブ・ジムの市場は、
しばらく上り調子の活況が続くことに
なるのだろう。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。