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フォーカスグループインタビューの変化

ここ最近、消費者調査ということで
「フォーカスグループインタビュー」
実施した。
「Focus Group Interview」の頭文字を
取って、「FGI」と略すことが多い。

この「FGI」というのは、
ある程度属性の似通ったお客様を数名ほど
お呼びして、モデレーターと呼ばれる
司会者の仕切りの下、設定されたテーマに
ついてご意見を出し合ってもらう
という
消費者調査の一手法である。

消費者は、普段の購買行動について、
大抵の場合は無意識、無自覚でいることが
一般的だ。

なぜ、その商品を買ったのか?
なぜ、他の商品ではなくそれにしたのか?
なぜ、その場所で買ったのか?
なぜ、その値段を出したのか?
なぜ、その販売促進が気になったのか?

質問したいことはいくらでもある。
ただ、むやみやたらに質問しても、
限られた時間を有効に使えなくなる。

どんなお客様について、
どのような仮説を持っているか。
その仮説を確かめるために、
どのようなことを、どんな順番で訊けば
より効率的かつ確実に成果を得られるか。
そういったことを調査会社と相談しつつ、
インタビューの流れを設計する。
意見を聞きたいお客様をリクルートして、
一堂に集まってもらい、インタビューを
行う、そんな手順を踏んでの実施だ。

マーケティングに携わってから、
かれこれ二十数年にもなると、
FGIへの参加も相当数に上る。
100本は優に超えていると思うが、
正確には数えていない。

ただ、今回久々にFGIに携わったところ、
ちょっとした変化が起きていた。
というのは、参加人数をかなり絞るのが
主流
になっていたのである。

従来は、1グループあたり6名前後での
実施が一般的
であった。
多いと8名、少ない場合でも4、5名は
1グループにいるのが相場。

ところが、最近では3名がベストだと
いうのである。

調査会社の方に訊くと、3名の方が、
6名前後でやっていた頃よりも、
聞き取りできる内容がより充実する
のでそうしているとのこと。

実際に、3名でやる実査に立ち会ってみた
ところ、確かにメリットが大きいことは
間違いなさそうである。

  • 1人当たりの出番が増え、より個別に深堀りできる。

  • しゃべっていない人のアイドルタイムが減る。

というのが大きなメリットだ。

また、オンライン(ZOOM)で集まって
もらっており、移動時間が不要なので、
参加者のハードルが下がっている
これが、ひょっとしたらより精度の高い
リクルーティング
へとつながっている
可能性もあるのかもしれない。

以前は、物理的にインタビュールームへと
集合してもらうのが当たり前
だった。
ドタキャン対策としても、人数を多めに
集めておくというのは合理的だったと
いう側面もあるだろう。
オンライン化で、そのリスクが極めて低く
なり、費用の負担も軽減されるという
メリットも生まれている。

人数が少ない分、「ハズレ」なお客様に
当たるリスク
は大きいかもしれない。
とはいえ、そこはモデレーターの腕前で
何とかお客様のホンネを引き出していく

しかない。

これからもFGIに立ち会う機会が何度も
出て来ると思われるが、
何かしら別の進化を遂げるのだろう。
どんな進化を遂げるか、頭の体操代わりに
色々考えてみるのも面白いかもしれない。

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