サブスクリプションの肝

ビル・ゲイツがメリンダ夫人との離婚を
発表し、世界に衝撃を与えたのは、つい
5日ほど前。
Microsoftを創業し、一時は世界一の
お金持ちでもあったゲイツ氏。
2021年のフォーブスの番付では4位
財産分与がどうなるかといった、
下世話なニュースが多く流れている。

ところで、私事だが、家で使うパソコンを
新たに購入、本日届いた。
事前に色々調べ、コスパがよさそうな
マウス・コンピュータをチョイス。
GoogleのGmailをはじめ、基本的に
クラウドサービスを中心に使っている
ので、色々なデータ移行もスムーズ。

今回、MicrosoftのOfficeを同時購入
するかどうか迷い、一旦見合わせた。
しかし、いざセットアップする中で、
結局EXCELやPowerPointが使えないと
話にならないため、後追いで購入する
ことに。
その際、従来のようにパッケージで
買い切りにするか、毎月課金となる
いわゆるサブスク契約にするか

選択を迫られることになった。

買い切りの場合、パソコンと同時購入で
あれば20,000円程で済んだところ、
後からだと倍近くのお値段。
サブスクの場合、毎月900円+税が
オフラインでも使える最低金額。
一瞬悩んだが、ここはサブスク契約が
いいだろうと判断し、早速契約をして、
スムーズにインストール完了。

パソコンにインストールするソフトや
アプリは、以前はCD-ROMなどの
「モノ」に固定化して販売されていた。

それが、今や常時接続の時代となり、
オンラインで簡単にインストールする
ことが可能。
並行して、一括払いで購入してあとは
使い放題というビジネスモデルから、
サブスクで毎月課金というモデルへと
移行してきた。

この毎月課金に舵を切ったことで
業績がグンと上向いたのが、
イラストレーター(通称イラレ)
などのソフトを販売しているAdobe。
デザイナーさん以外は直接イラレを
いじる機会がほぼないだろうが、
PDFファイルには誰しもお世話になって
いるだろう。

具体的事例はこちらに詳しい。

Adobe社にとって、このビジネス
モデルの転換は極めて大きな決断
だった。
それでも恐れを克服し、一歩を踏み
出した結果、大成功。

昔から、新聞や雑誌の定期購読の類を
はじめ、サブスクという契約形態自体は
それほど珍しいものではなかった。
昨今騒がれているのは、Amazon PRIME
とか、Netflix、Spotifyなどの常時接続を
前提とした定額サービスが一気に身近に
なったことによる影響大だろう。

同書では、サブスク成功の秘訣として、
「カスタマー・サクセス」
が不可欠であることを強調している。
副題にある「顧客の成功」がその直訳。

要は、毎月定額課金を負担し続けて
くださるお客様を成功させること、
成功に寄り添うこと、それを目指す
ことが何より大切
だということ。
なんだか当たり前すぎる主張で、
最初に読んだときは肩透かしを
食らった気分になったものだ。

しかし、当たり前のことを当たり前に
続けることが難しい
、というのは
誰しも身に覚えがあるのではないだ
ろうか。
サブスクは、ひたすら毎月課金が続く。
それだけに、ちょっとした気の緩みが
顧客の機嫌を損ね、いつ「解約」という
形で跳ね返って来るか分からない。


お客様の成功が、自分の成功になる。
心の底からそういう気持ちを持ち、
常に緊張感を持ってお客様と対峙
することを積み重ねる。
そこで生まれる「信頼」こそが、
サブスクの肝
だ。

今回Officeを契約したものの、
代替手段がないからやむを得ず
使っているというのがホンネゆえ、
Googleなど代替手段の使い勝手が
向上すれば、いつ浮気しないとも
限らない。
Microsoftから、そんな「信頼」を
感じさせる対応が受けられるのか、
しばらくはお手並み拝見である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。