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働きがい

転職回数が5回、6社目に就業中の身ゆえ、ジョブマーケットに関する知識は普通の人よりは豊富だと思っている。
新しい会社の面接を受ける際に、必ず下調べをするわけだが、公式サイトを訪ねる等して「建前」情報を入手するのは当然。
加えて、いかに「本音」情報を入手できるかが、企業選びにおいては大切になってくる。
まぁ、何度か失敗してしまっている私が言っても、今一つ説得力に欠ける部分はあるのだが、、、失敗しているからこそ、冷静かつ客観的に語れる部分もあるということでご理解いただこう。

その「本音」情報の入手には、まずは信頼の置ける友人ネットワークの中に、その会社の経験者がいないか探す。もしいれば、かなり精度の高い情報が得られる。
友人の知り合いが在籍している場合も、確度は少し低くなるとはいえ、まずまずの情報が得られることが多い。

残念ながらそのような人脈が見つからない場合、あるいは見つかった場合でもその情報を補強するために、いわゆる「転職口コミサイト」を活用している。
1つは、「転職会議」というサイトで、日系企業の情報が比較的多い。
もう1つが、旧「Vorkers」というサイト。最近「OpenWork」と名称を変えている(アドレスは今も vorkers.com のままの様子)。こちらは外資系企業に強い印象だ。

この「OpenWork」が、毎年「働きがいのある企業ランキング」なるものを発表しており、つい先日2020年版の最新ランキングが発表された。
知人の働く企業も多く、色々な顔が浮かんできて、眺めているだけでも面白い。

2020年版のトップ3は以下の顔ぶれであった。
1位 株式会社セールスフォース・ドットコム
2位 グーグル合同会社
3位 プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(P&G)

ここ数年、トップ10は常連が多く、今回のトップ3はいずれも常に上位にランクインしている。
そして、どの会社も、誰が見ても今の世の中に莫大な「価値」をもたらしている素晴らしい会社であることに疑いはない。

ただ、ふと、このランキングは「働きがいのある企業」という看板で本当に良いのだろうか・・・?という疑問が沸々と湧き上がってきた。

OpenWork社によると、このランキングの目的は以下のように記されている。

就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム OpenWorkは、ユーザーの皆様に投稿いただいた社員クチコミデータから毎年「働きがいのある企業ランキング」を発表しております。
(中略)
社員による会社評価を元に算出したOpenWorkのデータは、企業の公開情報だけでは知ることのできない、働く環境の実情を明らかにします。OpenWorkでは投稿された会社評価レポートは全て機械及び運営スタッフによる目視によって審査され、ガイドラインを通過したレポートのみを掲載しております。OpenWorkは情報の「健全性」と真摯に向き合いながら、今後もこのような情報を発表していくことで、ジョブマーケットの透明性を高め、働きがいのある企業が適正に評価され、社会全体の雇用環境がより良くなっていくことに貢献していきます。
<発表内容について>
■ 働きがいのある企業ランキング(1位~50位):
OpenWorkにおける総合評価を集計したランキングです。匿名の社員・元社員による自らの職場環境に関する8つの評価項目点(※)を元に、OpenWork独自のアルゴリズムにより算出しております。
※ 8つの評価項目:「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「人材の長期育成」「法令順守意識」「人事評価の適正感」
(後略)

「働きがい」とはこういう定義ですよ!というのがハッキリしていない印象だ。
引用部分の最後にある、「8つの評価項目」を元に、最終的には「独自のアルゴリズム」で評点を算出している。
個人的には、その会社で働いた経験のある人(現職を含む)による、「職場の魅力度ランキング」といった趣だ。
この「魅力度」=「働きがい」という構図が成り立つのなら、私の疑問は解決なのだが、ニアリーイコールではあっても完全なるイコールではないと感じているが故に疑問が生じたのだと思う。

「魅力のある企業ランキング」だと、なんだか平板な印象で、ふーん、というリアクションになりそうだ。
「働きがいのある企業ランキング」の方が、シズル感があって、どんな会社がランクインしているのだろう?という興味をそそる感じが出る。
あくまで自分の印象ではあるが、きっとそういった情報の受け手に対する印象を踏まえて、このような名称を用いているのではないかと推測する次第。
やはり「名前」「名付け」はとっても重要、そんなオチである。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。