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削除ファイル復元ソフトの市場を垣間見た

昨晩、娘が急に血相を変えて
リビングにやってくるなり、
「ファイルを誤って消して
 しまった!どうしよう・・・」
と助けを求めてきた。

聞いていくと、せいぜい7時間程
かけてレポートを仕上げていた
ところ、誤ってファイルを消して
しまったに過ぎなかった。

あきらめてさっさとやり直せと
突き離そうとしたが、隣でずっと
うじうじしているので、仕方なく
手伝う羽目に。

削除してしまったファイルを復元
する方法がないか、Google先生に
検索してもらうと、案の定色々な
サイトが出て来た。
無料ソフト(アプリ)を指定して
検索したからだと思うが、怪しい
サイトが多く、その中から適当に
物色して、少しはマシに見える
ソフト(アプリ)をダウンロード
してみる。

一つ目を試してみた。
ファイルがあったであろう場所を
指示に従って選択してみると、
「このファイルは復元できません」
とポップアップしてきて、
更に畳みかけるように
「有料プランなら97.1%の確率で
 復元可能!」
みたいなうたい文句が躍った。

ハイハイ、そういう商売ね。
ふざけやがって。

同じ穴の狢ばかりだろうとは思った
が、一応二つ目を試してみる。
今度は、上手いことそれらしき
ファイルが見つかり、プレビュー
までは出来た。
しかし、実際の復元をしようとする
と、一つ目と同じように
「これ以上復元を希望する場合は、
 以下のプランから選択!」
というのがポップアップ。
「月額9,800円~」がお勧めのコース
として出て来て、おいおい誤って
何個ファイルを削除したら元が
取れるんだよ!と突っ込みたく
なる内容。
気分は、
「ブルータス、お前もか・・・」。

というところで、娘にどうするかを
託し、彼女はプレビュー画面を写真
に撮って、遅くまでひたすら入力
作業にいそしむこととなった。

今回得た教訓はいくつかあるが、
大きくは二つ。

1つは、サンクコストは追うな、
ということ。
何かしら教訓を得られたと前向きに
考えて、サッサと次善策を講じる。
即座に行動に移すことが肝要だ。
悩んだり、クヨクヨしている
時間がもったいないだけ。

もう1つは、人の弱みに付け込む
卑劣な商売はやはりすべきでない、
という自戒。
散々「無料」で釣っておいて、
肝心なところは有料に呼び込む
というやり方。
業界全体がそのような商売のやり方を
取っている様子だった。

みんなからうさん臭く思われようと、
それが彼ら流のマネタイズ。
弱い者からふんだくるんだよ!
と言わんばかり、気持ちよさの欠片も
ない。

無料でファイルを復元しよう、
という方も、それはそれで図々しい、
人の善意にただ乗りしてるだけ、
なんていう批判もあるかもしれない。
確かに、元はと言えば、自業自得。
自分のせいだと分かっている、
だからこそ、無料で釣られた先で、
有料プランを見せられた時に、
苦しみ悩むことになるのである。

百歩譲って、ファイル復元のソフト
(アプリ)開発だってお金がかかるの
だから、メリットを享受する利用者が
費用負担するのは当然と言える。
だから、課金を試みること自体は
仕方がない。
しかし不思議なのは、彼らが呼び
込もうとしているサービスが、
サブスクリプションモデル
(定期課金)だった点。

一度誤ってファイル削除してしまった
人は、「二度あることは三度ある」
的に何度も何度も間違うはずだから、
入っておくべきだ、ということなの
だろうか。
普通は、一度過ちを犯したら、二度と
同じ過ちを犯さないように注意深く
行動し、立て続けに失敗することは
考えにくい。
とりわけ、本人の意識としては、
「もう二度と失敗はするまい」と
なっているはず。

そんな利用者が、継続課金のサブスク
モデルに喜んでカネを払うとは、
到底思えないのである。
「一回こっきり、980円!」
みたいな値付けの方が、余程最後まで
支払いしてもらえる可能性が高いの
ではなかろうか。
アプローチ方法が間違っているように
感じるのだが、この辺の業界界隈に
詳しい人がいたら、是非その裏事情を
教えてもらいたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。