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既存のパイを分け合うか、新たに焼くか

「激烈バカ」
自分のことを自分でそう呼ぶ人は
極めて珍しいだろう。

実際のところ、「バカ」どころか、
とても賢いのである。
哲学の文献なども読み漁っていて、
格調高い議論をする方なのである。

しかし、恐らくはご自身のこれまでの
人生、経歴を振り返って、
多少自嘲気味に表現をされている、
そんな風に理解している。

その男の名は、松井勇人

今朝、その松井さんが、

年収600万円で楽しく暮らせる起業家を目指せ!
負け続けた男だから語れる大切な自分物語の見つけ方

というタイトルにてしゃべり倒す
オンライン(ZOOM)のイベントに
参加させてもらった。

イベントページに貼り付けられた
彼の経歴がこちら。

3浪で大学進学、大学院中退、転職11社、解雇5回、重度の鬱と不眠により6年間の引きこもり。

なかなか壮絶な人生である。
そんな紆余曲折を経て、今では
学習塾を経営されている。

そんな松井さんが、
文字通りマシンガントークで
様々な話をしてくれたのだが、
その中に
「普遍的価値」
「個人的価値」

という言葉が出て来た。

世の中には「普遍的」だと信じられて
いる価値があるが、そこに合わせるの
ではなく、自分自身が強く信じられる
「個人的価値」を追求すべきだ!
というようなメッセージの投げかけ
である。

「普遍的価値」と「個人的価値」が
まるで対立関係にあるかのような
口調だったことに違和感を持った
ので、
思わずそれらは対立関係にあると考えて
いらっしゃるのかと質問をした。

私がマーケティングを生業にしている
ことを承知の上で、彼はこのように
答えてくれた。

「普遍的価値」という名の既存のパイを分け合うのがマーケティング。
「個人的価値」という新しいパイを作り上げるのが起業。

細かい言葉尻は誤っているかもしれない
が、概ねそう解釈した。

その場は一旦その回答を受け止めたが、
どうも「価値」「マーケティング」と
いった言葉の定義について、私の認識と
食い違いがありそうだとハッキリした。

マーケティングや起業というのは、
世の中に価値を提供し、貢献をしていく
行動である。
そして、世の中に貢献するためには、
価値提供が必須なわけだが、その「価値」
とは詰まるところ、人々の「幸せ」とか
「嬉しさ」「喜び」
ではないかと考える。

そう捉えると、「個人的価値」というのは
その個人の幸せのことであり、
個人個人の幸せの集合体こそが
世の中全体の幸せにつながっていき、
それこそが「普遍的価値」と思えるのだ。
であれば、やはり両者は対立するものでは
なく、「個人的価値」は「普遍的価値」の
一部
だと解釈できる。

そして、「マーケティング」というのは、
モノを売り付ける、半ば無理矢理買わせる
というイメージを持つ向きもあるようだが、
それは間違っている。
あくまでも、消費者、お客様に対して
価値を提供することで、満足していただき、
喜んでいただく、それによって市場をつくる
活動なのだ。

「既存のパイを分け合う」だけでなく、
「新しくパイを焼き上げる」ことをも
含めた概念がマーケティング
なのだと
いう趣旨を、イベント後半に述べさせて
もらった。

自分自身、彼にいただいたお題を
頭の中で整理し、参加された方々と
議論をして反芻し、直接口頭でお伝え
できただけでなく、こうやって文字に
落として学びを定着させる大変良い
機会となったのは、何とも有り難い
ことである。

更に有り難いことに、今日話しきれ
なかった内容がまだまだあるので、
次回、次々回と企画をしてくださる
とのこと。
まずは、週明けに届く松井さんの本を
改めてひもとくところから楽しみ
たいと思う。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。