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山登りではなく川下りの生き方

いつもお世話になっている月刊誌
『致知』2024年2月号の中に、
京都大学理事野崎治子さんへの
インタビュー記事が載っていました。

堀場製作所女性初の執行役員
務めた後、京都大学の常勤理事
して広報活動などに携わっている
という野崎さん。

タイトルにある言葉は、
キャリアの積み方にもこの2種類の
方向性があるのだという意味を
示しています。

「山登り」型というのは、
山頂という目指すべきゴールが
ハッキリしているキャリア

「キャリア」と言われたら、
大抵はこちらをイメージするものと
思います。

これに対して「川下り」型は、
川の流れに身を任せるという
キャリア

惰性で仕事をするような響きが
なくもないですし、そもそも
それをキャリアと呼ぶというのが
意外な感じでした。

野崎さんは、自分自身で高い目標を
立て、それに向けて自分を追い込んで
いくようなタイプではなかったそうで、
この「川下り」型の考え方を聞いて
とても救われる思いがしたそうです。

カリスマ的なリーダーシップを
発揮した経営者
たちが、
メディアで良く取り上げられますが、
大抵の場合カリスマの陰に
参謀的な存在がいらっしゃることが
多いですよね。

そんな参謀たちの「キャリア」
いうのは、自らが決めたゴールを
目指す「山登り」というよりは、
カリスマから発する大河の流れに
乗って「川下り」的に展開する
もの
のような気がします。

野崎さんも、創業者や現会長といった
カリスマ経営者が指し示してくれた
会社のあるべき方向性を、
いかに現場において的確に具現化、
具体化
できるかを考えて来たご様子が
記事から伝わってきました。

正に、「川下り」型のキャリアを
見事に歩まれてきたと言えます。

誰かロールモデルがいるのか?
という質問に対しては、
特定のロールモデルがいるわけでは
ない
とのお返事。

しかし、一人の人をロールモデルに
する代わりに、いろいろな人の良い
ところを集めて、パッチワークの
ように自分なりのロールモデルを
つくるのが大切
だと述べていらした
のが大変に印象的でした。

今の時代は「正解のない時代」
逆に言えば何をやっても不正解に
ならない
わけで、自分が選んだ選択を
正解にする努力や、その過程を楽しむ
ことこそが重要
だと続けています。

そんなお話を読んでいて、
デジャブな感覚を覚えました。

VUCAの時代における
「パッチワーク風ロールモデル」
とでも呼ぶべきこのイメージは、
注目度が高まっている起業理論、
エフェクチュエーションで言う
ところの「クレイジーキルト」
彷彿とさせてくれるのです。

「山登り」型のキャリア構築は、
「マーケティング」的なキャリア
へのアプローチ。

「川下り」型のキャリア構築は、
「エフェクチュエーション」的
キャリアへのアプローチ。

そんな整理の仕方をすることも
できそうですね。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。