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ディスカウントドラッグ「コスモス」の躍進

コスモス薬品は、九州は福岡に本拠を
置き、全国に店舗網を展開している
ドラッグストアの大型チェーン。
近年、特に北関東に店舗を増やして、
その存在感を強めている。

そのコスモス薬品が、日経新聞に
「躍進」ぶりを取り上げられていた。
大型店の新設届け出数において、
2022年度にダントツのトップ
躍り出たからだ。

10年前は、トップがヤマダ電機の59件。
僅差の2位がコスモスの58件であった。

それが、2022年度には、コスモスが
131件のダントツ1位。

2位にもドラッグストアのツルハが
ランクインしているが、その数は
わずか38件。
明らかにコスモスが際立っている。

ドラッグストア業態に関する考察は、
こちらでも何度か取り上げて来た。
例えば、近所にできたエキナカの
マツキヨを題材に、こんな記事を
書いたことがある。

ここで述べたことを要約すると、
以下の通りである。

薬は典型的な規制産業で、基本的に安売りなどとは無縁であるため、高い粗利益が確保できる。
この粗利益をテコにして、飲料や食料、日用雑貨をお得に販売するという手法を使って客数を伸ばし、ドラッグストア業態が大躍進した。
中には生鮮食料品まで取り扱うなど、スーパーと何ら違わないチェーンすら存在しており、業態間の垣根がどんどん崩れていると言える。

ヤマダやヨドバシのような電器店は、
この10年でAmazonをはじめとするECに
かなりの程度シェアを奪われている

推測するところ。
加えて、記事には「自社EC」もあるので
大型店舗の必要性が薄れている
との指摘が
なされている。

ホームセンターも今一つ元気がない。
スーパーは正にドラッグストアに
食われている。
大型店舗に限れば、ドラッグストア
業態の圧勝
だ。

彼らは、薬で高い粗利を稼げるので、
スーパーと比べてスタート地点から
有利に立っている。
食料品をディスカウント販売しても、
トータルで利益を確保できればいい

から、スーパーに対して揺さぶりを
かけることが可能。

それでも、生鮮食料品のところまでは
ほとんどのドラッグストアが入り込む
ことはなかった。
しかし、郊外に大型の店舗を構える
タイプの一部チェーンは、生鮮食品用の
冷蔵庫等にも投資
を行って、スーパーも
驚くような店舗を次々とオープンする
ようになったのである。

その筆頭が、コスモス薬品という訳だ。
屋号に「ディスカウントドラッグ」
あるように、最初から安売りする気
満々
の名前。
薬はもちろんのこと、スーパーに決して
引けを取らない食料品の品揃え
で、
地域商圏のシェアをごっそり奪って
いく。

自社に有利な点を追い風にして、
驚くほど順調に伸びて来たコスモス
だが、薬の取り扱いに関する規制が
変わるなど、追い風が逆風に変わる
可能性も皆無とは言えない。

更に10年後も、変わらぬ存在感を
発揮し続けられるか、その手腕に
是非注目しておきたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。