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自らの立ち位置を忠実に守るスタバ

家でもなければオフィスでもない、
「サードプレイス(第三の場所)」
目指している。
それがスターバックスの立ち位置。

コーヒーを安く飲ませるところは
沢山ある。
逆に、高いけどとにかく美味しい、
高級なコーヒーを飲ませるところも
ある。

しかし、スターバックスはそこで
勝負を仕掛けてはいない。
お客様が、ホッとできる場所、
くつろいで過ごせる場所、
そんな「サードプレイス」に
なることを志している
のだ。

以前に、こちらのエントリーで、
サラッとではあるが、ドトールと
スタバの出店戦略について触れた
折に、両者のポジショニング、
即ち「立ち位置」の違いについて
触れたことがある。

関係するところを引用する。

ドトールは「味」と「手軽さ」で
差別化を図っているのに対して、
スタバは「居心地の良さ」をメインの
差別化要素としているため、
実のところお客様のかぶり具合は
さほど大きくないと思われるのだ。

「立ち位置」というのは、お客様が
頭の中でその商品・サービスをどの
ように位置付けているか
ということ。
どんな時に、どんな場面で使いたいか、
なぜ使いたいのか、それによって
「立ち位置」は変わってくる。

言い換えれば、他の商品・サービス
と比較して、どこがどう差別化されて
いるか
ということだ。

この差別化、以前にも取り上げた通り、
3つの軸に整理できる。

手軽軸:手軽さ=早い、安い、便利、等の価値で差別化
品質軸:品質の良さ、高さで差別化
密着軸:お客様に「寄り添う」力で差別化

上記引用と照らし合わせると分かる
通り、ドトールは「手軽軸」で勝負
していると言えるだろう。
他方、スターバックスは「密着軸」で
勝負
していると言えそうだ。

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二子玉川公園内にある、
「リージョナルランドマークストア」
の一つに数えられているスタバ。
先日そこを訪れた際に、丁度8周年
ということで、スタッフが自分の
写真にコメントを書き、このように
飾り付けている様子を見かけた。

これを見て、お客様はどのように
感じるだろうか?
もちろん、人によって感じ方は
千差万別。
一概にこう、と決めつけることは
できない。

「サードプレイス」を求めて来店する
お客様は、多くがリピーターだろう。
彼らは、店員さんのホスピタリティに
癒され、飲み物を片手におしゃべりや
読書を楽しみ、気持ちの良い時間を
過ごした後に帰っていく。

そんなお客様にとって、イキイキと
働いている店員さんは、スタバの
サービスの重要な一部。

その店員さんが、満面の笑みで映り、
もてなしの一言を書き込んでいる
このコーナーは、この店の温かい
雰囲気や居心地の良さを向上させる
のに一役買っている。

私にはそんな風に思えたのだ。

店員さんの教育が非常に行き届いている
ことでも定評のあるスタバ。
居心地の良さを実感してもらうために、
そこで手を抜くことはしない。
そのようにも解釈できるだろう。

一連の緊急事態宣言が出た折にも、
スタバはいち早く、短縮営業などの
対策を打ち出し、広く周知する努力を
怠らなかった印象が強い。
これもまた、「サードプレイス」を
求めて来店するお客様のことを真剣に
思い遣っての行動として受け止める
ことができるのだ。

その分、スタバで飲むコーヒーや
ラテ、フラペチーノといった飲料の
価格は、結構なお値段である。
油断すると、ランチの値段を超える
こともある価格帯。

しかしながら、スタバは価格で競争
しているわけではない。

あくまでも、価値で競争をしている
あるいは価格に対する価値=コスパで
勝負している
のである。
差別化を、「手軽軸」ではなく、
「密着軸」で行っているというのは
そういうことだ。

私自身は、そこまでスタバをヘビロテ
しているわけではない。
せいぜい月に1回行くかどうかだ。
それでも、訪問時の体験や、友人、
同僚などから聞く話、ニュース等で
取り上げられている様子などから、
スタバは常にブレずに立ち位置を
守り続けている
ことを感じる。
改めて、「スタバ強し!」という
ことを実感したのであった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。