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お気に入り漫画を紹介してみる①

今日はスマホ内の漫画の本棚にある、お気に入り作品3つを思うままに紹介してみようと思う。
尚、さわやか王道な「青春ラブロマンス☆」みたいなものは皆無である。

『可愛想にね、元気くん』

暴懲愛之助(ぼこりあいのすけ)という見るからに穏やかでないペンネームで同人活動をする主人公。彼は自らの描く漫画の中でクラスメイトの「やちみどりさん」を痛ぶっては興奮する、という秘密の趣味を持っていた——

メガネ+みつあみ可愛い~///とヒロインの1人「やちみどりさん」に一目ぼれして読み始めたがそんな軽い気持ちで読むものではなかった。

でも血や汗にまみれるやちみどりさんはまつ毛一本まで綺麗だと思ってしまうし、どうしようもない「人の欲望」や各キャラの背景もあいまって……客観的な正常/異常では割り切れない問題にいろいろ考えさせられた。
読むと感情がぐちゃぐちゃになるし、口の中がなんだかものすごく苦くなる。でも好き。

『夏目アラタの結婚』

児童相談所職員の夏目アラタ。彼の担当児童である少年から「とある依頼」を受け死刑囚に会いに行くが、面会に応じたのは連続殺人鬼とは思えぬような少女だった。彼女から「担当児童の父親の遺体の在り処」を聞き出すためにアラタがとった驚きの手段とは——

一見いたいけにも見える少女・真珠の何を考えているか分からない感じが面白い。顔の影やシワなど絵の描き込みがすごいので「表情1つ」でホラーばりにびっくりするときがある。
真珠の感情の定まらない感じは計算なのか、生い立ちによるものなのか。

アラタへの気持ちは打算なのか……彼女がはじめて知るあたたかい想いであればいいな、なんて願いながら読んでいる。
真珠の頭脳と演技力が光る裁判シーンも大迫力。裁判長、がんばれ。

『ヒメゴト〜十九歳の制服〜』

ボーイッシュな外見を揶揄されることもあるが本当は女らしさに人一倍憧れる由樹。大人になることを恐れ、いつまでも少女であることを確認するために「15歳である自分」を売る未果子。モテ男だが女の子に憧れ「理想の女の子」を求め、自らも女装する佳人。自分だけの「ヒメゴト」が明るみに出るとき、彼女/彼たちの関係性はどう変わっていくのか——

「19歳」という思春期の終わりにそれぞれの性の葛藤を抱えるキャラクターたち。自分を表現すること、自分を自分で認めること、誰かを大切に思うこと。誰に何をどこまで打ち明けるのか、誰の何をどこまでなら受け止められるのか……。

秘密の共有が絆を強くし、関係を歪め、縛るんだなぁ、苦しいなぁと思いながらも友人と深い関係を築いたことのない私は「憧れ」を感じた。
したたかに生きるしかなかった未果子の、由樹に見せるあどけなさが可愛い。細い描線が美麗で、中性的な容姿の由樹も一層魅力的に感じられる。


また機会があれば他の漫画作品も紹介してみたい|ω・)

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