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戯言感想帖

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購入した本をなんとなく紹介したり、読んだ本の感想を自由気ままに書いたりしています。漫画も含みます。
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#文学

夢野久作『けむりを吐かぬ煙突』を読んで

夢野久作『けむりを吐かぬ煙突』を読んで

些細な違和感を捨て置くことはできるだろうか?

人には誰しも「別の顔」がある。

本作の主人公と思しき男性は大手新聞社の外交部に勤めているが、何かしらの「スキャンダル」をネタに富裕層を恐喝する悪徳記者の顔も持つ。

さて、そんな彼が目をつけたのはさる伯爵の未亡人。果たして記者は彼女から上手く富を掠めとることができるのか?

未亡人となった南堂夫人。
彼女は自らの寝室を図書館に改造し、その部屋の屋根

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江戸川乱歩『人間椅子』を読んで

江戸川乱歩『人間椅子』を読んで

これはもう実際に読まなければ最後の「ゾクッとする」感覚は得られないし、私ごときでは伝えられないだろう。

なので、いつも通り自由に感想を述べていく。

「閨秀作家」である佳子(よしこ)のもとに届いた厚みのある封筒。
それはとある男性からの「手紙」であった。
我々、読者はこの手紙の内容を追っていくことになる。そして佳子が手紙を読み終えるまでを見届ける。

物語自体の感想に触れる前に私の中で引っかかっ

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『文豪たちが書いた耽美小説短編集』を購入した

『文豪たちが書いた耽美小説短編集』を購入した

今日は用事がてら、大型書店に寄ってきた。

例によって、

『なぜ私は一続きの私であるのか』

『完全解読 ヘーゲル「精神現象学」』

『死に至る病』

などに惹きつけられたが、これらは後日改めて図書館で借りることにした。

そして今回購入したのは
『文豪たちが書いた耽美小説短編集』。

白抜きが映える、表紙に踊るは「耽美」の文字。
レジ担当が若いお兄さんで少し恥ずかしかった…。苦笑

長らく自分

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