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ビタミンF

現在、ビタミンは15種類ほど知られている。
けれど、ビタミンFは、ない。(後記より)

そんな架空のビタミンFは、まさしく人の心に働くビタミンのような本。

Family、Father、Friend、Fight、Fortune、、、
そんな短いストーリー、Fictionから多くの栄養をいただきました。

どの話も、人生の”中途半端な”時期に差し掛かった、いわゆるおじさんが主人公であり、前に読んだ時は、
「私のお父さんはこんな風に考えているのかな」
「自分はちゃんと親孝行できているのかな」
なんて、しっかり子ども目線で考えたのに、
久しぶりに読み返すといつのまにか親目線で考えていた。

「夫婦としてどうすればいいんだろう」
「自分に子どもができたらこんな風になるのかな」

私はいつ、親目線になったんだろう。
それが”大人”になるってことだったのかな。

自分の子どもがいじめにあっていても、
反抗期を迎えた息子が家の中で大暴れしても、
ありきたりな毎日に飽きて離婚を考えていても、
時間は待ってくれなくて、どんどん世界は進んでいく。

そんな時、「あぁもうなんでもいいや」
「どうなってもいい」なんてあきらめたくはない。

「もうちょっとだけがんばってみるか」
って少しでも顔をあげられるようになりたい。

それが降り続いてた雨を止ませて快晴になるとは限らないけれど、
雨が小降りになったり、降っている雨を少し美しいと思うことが
できるかもしれない。

過ぎていく時間の中で、毎日、少しずつ、ちょっとずつでいいから
小さな幸せを紡いでいきたい。

明日もまた頑張ろう。

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