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「地政学ってこんなに面白いのか…」と思わず感動。超おすすめの入門書『サクッとわかる地政学』
地政学という言葉を聞いて、おそらく多くの人が「なんだか難しそう…」という印象を持つと思います。
僕も地政学という言葉は知っているけど詳しくはわからないし、正直なところ「地政学なんて勉強して役に立つの?」という感じで特に興味もありませんでした。
しかし、ある1冊の本と出会ったことで「え、地政学ってめちゃくちゃ面白いじゃん…」と地政学のイメージがガラリと変わりました。
それが今日紹介する『サクッとわかるビジネス教養 地政学』という本です。
地政学をひとことで表現すると…
まずは、むずかしいイメージがある地政学の意味について見ていきましょう。
この本では地政学を以下のように定義しています。
地政学とは、簡単にいうと「国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える」アプローチ。
この言い回しだと少しむずかしく感じるかもしれませんが、国が存在する”場所(位置)”が国際社会における有利・不利に大きく関係するということです。
もっとわかりやすく言えば、特定の場所やエリアをおさえるだけで、自国が優位に立てることを意味します。
地政学の最大のメリットは、自国を優位な状況におきながら、相手国をコントロールするための視点を得られること。
戦争をしたり相手の国を攻撃するのはリスクも高く、コストもたくさんかかります。でも、地政学を生かして、自国が有利な場所を押さえてしまえば、戦争などをすることなく自分の国にとって有利な条件で経済的な取引ができたりします。
もちろん、強い武器を作ったり自国に有利な条件で貿易をするといった行動も国際社会で優位に立つために必要なことです。
でもそれ以上に、地政学を生かすことで最小限のコストで最大限の効果が得られるというわけです。
北方領土が返還されない理由も地政学でわかる
日本でもたびたび議論になる北方領土問題。本来、北方領土は江戸時代から日本人が住む日本固有の領土です。
にもかかわらず、なぜなかなか北方領土問題は解決しないのでしょうか。
「ロシアと日本では北方領土に対する温度差があるから問題が長続きしている」と、本書は説明します。
そのおもな理由は、ロシアが地政学的に北方領土を欲しているからです。つまり、ロシアは北方領土を有するメリットがあるということです。
反対に、北方領土は日本にとって地政学的なメリットがほとんどないため、なかなか交渉が進みません。もちろん北方領土が返還されれば住民が移住できるようにはなりますが、国家的なメリットは少ないのです。
では、北方領土はロシアにとってどんなメリットがあるのでしょうか。ひとことでいうと、防衛上のメリットがあります。
具体的には、以下のようなメリットです。
【ロシアが北方領土を有するメリット】
・北極海ルートを防衛しやすくなる
・アメリカの動向を監視しやすい
このあたりについては、本書で詳しく解説されていますのでぜひ目を通してみて下さい。
アメリカが日本に米軍基地を作る理由
「なんでアメリカは日本に米軍基地を作るんだろう?」と疑問を持ったことがある人も多いと思います。じつはこれも、地政学が大きく関係しています。
日本の米軍基地と言えば沖縄がよく知られていますが、アメリカにとって沖縄の米軍基地は欠点がほとんどない完璧な場所と言われています。
僕がこの本を読んで特に感心したのは、沖縄米軍基地の位置的なメリットです。
アメリカのICBM(大陸間弾道ミサイル)を沖縄に配備すると世界の多くの主要都市が射程に入り、ミサイルを置くには絶好の位置なのです。
ICBMは射程が10,000キロと言われていますが、沖縄から10,000キロの範囲にはアジア全域、中東、オーストラリア全域、モスクワ、ローマ、ロンドンなどが含まれます。
つまり、沖縄にミサイルを配備しておけば世界の主要都市に攻撃(もしくは防衛)することができるということです。
地政学がわかれば世界情勢にも興味が持てる
地政学がわかるようになると、例えば、ある国が戦争を仕掛けたり侵略を行ったりしたときに「なぜそんな行動をとったのか?」という理由がわかるようになります。
これまで漠然としていた世界情勢や各国の動向もわかるようになるので、以前に比べてニュースに対して格段に興味が持てるようになるはずです。
本書はイラストも豊富で説明も非常にわかりやすいので、地政学という言葉に少しでもピンときた人はぜひ読んでみて下さい。
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