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翻訳者が観てよかったと思った映画

私は特許翻訳などの産業翻訳をなりわいとしながら、出版翻訳や映像翻訳の勉強をしています。翻訳の仕事には、国際情勢や欧米の文化に関する背景知識も欠かせません。なので、趣味の洋画鑑賞は楽しいだけでなく、とても勉強にもなっています。

さて先日も、これは観ておいてよかった! と思った映画(というかドキュメンタリードラマ)があったので紹介します。それは、『ザ・フード 巨大アメリカ食品企業』という作品です。

Amazon.co.jp: ザ・フード -アメリカ巨大食品メーカーを観る | Prime Video

ケロッグ、ハインツ、コカ・コーラ、ハーシーズ、マクドナルド、ケンタッキーといった、アメリカだけでなく世界中で有名な巨大食品メーカーの創業者たちの逸話を事実に基づいてドラマ化したもので、各話90分弱の3話構成になっています。


ケンタッキーやマクドナルドに比べたら、ハインツのトマトケチャップやハーシーズのチョコレートは、日本ではさほどメジャーではないかもしれませんが、工場での流れ作業のシステムを最初に取り入れたのが自動車産業ではなく、実はハインツだというのは驚きでした。当時の新エネルギーである電気をいちはやく工場に取り入れるなど、創業者のハインツさんってかなりすごい人だったんですね。

ハーシーズといえば、日本ではキスチョコが有名かもしれませんね。私も食べたことはありましたが、独特のクセがあるので、なんだかなーと思ってました。

しかしその「クセ」が、実は創業者のハーシーさんが、地元の生乳を使ってチョコを作ることにこだわったせいだということが、このドラマを見ると分かります。あの発酵臭のような独特の味と香りは、あえて残してあるんです。そうと知ると無性にハーシーズのチョコが食べたくなり、思わず買いに走ってしまいました。

また、急速冷凍技術を発明したバーズアイと、バーズアイの会社を買収して巨大冷凍食品産業に育て上げた女性実業家マージョリー・メリウェザー・ポストの話も面白かったです。

アメリカ人なら誰もが知っている食品メーカーの名前やその特徴を知ることができて、面白いと同時に勉強にもなるドラマでした。

ケロッグのシリアルはアメリカ人の朝食スタイルを変え、冷凍食品は共働き家庭の日々の食事作りを楽にしました。よい発明は、よりよいライフスタイルの提案でもあるんだなと思いました。

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