見出し画像

時給が安い=簡単じゃないし、イメージできる=仕事もできるでもないハナシ

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。

利用者さんの職歴を伺うと失敗経験をしている方も多く、たとえば「コンビニバイトすらできない」という言い方をしているのを聞いたことがあります。

コンビニ、飲食店のホール、スーパーのレジなどは働いている姿を目にしやすいです。

見たことがあるものはなんとなくわかった感じがするので
どんな風に働くのか?をイメージしやすい職種ですね。

一方で、時給はそれほど高くない場合が多く、学生など若い人もたくさん働いています。

こういった要因が絡み合って、なんとなく「簡単な、誰でもできる、やりやすい仕事」だと誤解してしまうことがあるようです。

でも考えてみてください。


たとえば居酒屋のホール。

画像1


オーダーを取ってドリンクを作って料理やドリンクを運んで、新規のお客様の対応と会計と座席の後片付けをしないといけません。途中でお客様が何かをこぼしてかけつけたり、料理が遅いと文句を言われたり、酔っ払いがトイレにこもっているかもしれません。足りない備品や食材をバックヤードに取りに行ったり、料理を運んでいる最中に「注文お願いします」と声をかけられ、オーダーを取っていると次のタスクが追加され、さっきやっていたことを忘れ……。
めちゃくちゃ大変じゃないですか?
ちなみに
さきほど札幌市中央区の某居酒屋のアルバイト求人を見てみたら
時給900〜1,200円(※研修期間60時間/時給880円)でした。
※現在の北海道の最低賃金は861円です。

コンビニバイトはどうでしょう?

画像2


今はセルフレジが普及していてマイバッグの文化ですから、やるのはレジ打ちだけだと思いますか?
商品が業者さんから届いたら品出しをします。掃除もあると思います。荷物の発送手続きがあります。切手等も売りますし各種支払いの対応もあります。ホットフードの調理もあれば廃棄の管理もありますね。意外とやることが多いんです。もちろん、他のことをやっていてもレジが混んできたらレジに入らないといけないので、常にお店の混雑状況を意識しながら他の作業をしないといけません。

某有名コンビニの求人を見たら17:00-22:00 時給 861円(22:00-02:00 時給 1,100円)でした。

こんなにやるのに!?

ちなみにスーパーのレジは時給872円〜 (試用期間3カ月/時給871円〜)というところがありました。

某ファストフードチェーンの調理なんかは、マニュアルがしっかりして決められた行動をすればいいので(忙しいことを除けば)慣れると比較的やりやすいみたいです。なお、時給は861円~のスタートです。

画像3

同じような時給でマルチタスクを求められない仕事といえば…?

たとえば倉庫内軽作業

画像4

とある倉庫内仕分けスタッフの業務内容は

弁当・総菜・パックジュース等、伝票を見ながら配送先毎に仕分けする仕事で時給900円でした。

いわゆるピッキングのお仕事ですね。

接客業務が無いのでイレギュラーが起きづらく、決められた場所にある決められたモノを仕分けする内容なので落ち着いて作業ができます。

業種によって多少の力仕事が必要になったり、立ち仕事だったりすることがあるかもしれませんが、基本的に決められたことを淡々とこなす系のお仕事でマルチタスクは求められないですね。

指示の伝票の数字を見落とすことなど、苦手な人と得意な人がいるかもしれません。

仮に時給900円で4時間×週3回アルバイトをするとなると月に4万円くらいの収入ですよね。

新聞配達の求人を見ていたのですが日給1750円(実働1.5時間)××22日=月収3万8500円という例が載っていました。

毎日短時間(早起き)コツコツと積み上げるのが得意な場合は、こういう働き方もアリですね。

画像5

このように、同じように月に4万円稼ぐとしても職種と向き不向きによって、できる仕事が変わってきます。

接客が得意な人、人と接するのが好きな人、黙々と働くのが好きな人、誰とも会わずに働きたい人etc..自分のタイプに合わせて選べばいいことなのです。

でも、倉庫の仕事や新聞配達は目にする機会が少ないので「アルバイトをしよう」と考えたときに求人内容を見ても仕事内容をイメージしづらいですよね。

結果、よく行くコンビニや飲食店のアルバイトのほうがわかりやすいと感じてチョイスし、ミスマッチを起こして「働くことが難しい‥」と落ち込んでしまう。

といったケースを、たくさん見てきました。

見ること、経験/体験することでミスマッチは防げます。

就労支援機関では、こういった理由から作業訓練で実際にお仕事をしたり、企業実習に行ったりして経験して自分に合っているか確認してから就職活動を行うことが多いです。

一度か二度の失敗で「もう働くのが難しい」「自分はダメだ」と思う前に、専門機関に相談してみることをお勧めします。

地域には障害者職業センターという専門機関もあり、職業準備支援という支援を受けられます。簡単な作業訓練をしながら適性を見極め、得意不得意を把握するもので障害者手帳の有無を問わずに利用できるので、こういったところからスタートするのもアリですね。

北海道の職業センターの場合は、こんな説明です→

知らないよりは知ったほうがいいことが世の中いろいろあるので、様々な社会資源をうまいこと活用しながら生きていきましょう♪

いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。