見出し画像

「早寝早起き」を変えよう

私がオンラインで参加しているDAOという組織で、医療関係の小ネタを出すスペースがあります。何かありませんかー?という話になったので出してみた、日々の生活で認識を変えられるかなという内容をこちらにも保管してみます。

「規則正しい生活は大事!」そう言われたら、そりゃわかってるよ!となると思います。ではこれはどうでしょう…「早寝、早起き」って大事ですか?

昔から言われてきた言葉「明日早く起きるために、早く寝なきゃ」早寝→早起き!
…実はこれ、睡眠の世界では反対。

「早起き早寝」と言われています。

「個人の努力で生活リズムをキープする」これって毎日自分の意志で毎日行動を自戒すること。偉いけど地味に大変ですよね。そして、目が冴えてしまった時や考え事や悩みが増えて寝られない時に、寝なきゃ!という焦りも生まれてしまいます。

まずは睡眠の質を自然なかたちでキープする、その方法からおさえましょう。人の体内時計は25時間、1日24時間と比べると1時間ずれています。ではそのズレをリセットするポイントはどこか?

それは「朝の光」です。

朝起きたらしっかり太陽の光を浴びましょう。といいますが、意識的に目の中にしっかり光を入れるのがポイントです。太陽にこだわらず電気の白い光でいいです。
この朝の光で、夜眠くなる時間が設定される(15〜6時間後)と言われています。

夜しっかり寝られるようにするための第一歩は、起きた時に朝の光をしっかりと意識することなのです。

夜は、逆に白い光を避けましょう。スマホ、テレビ、パソコンの…
夜のブルーライトは覚醒を促し、生体リズムを乱します。
ホテルに泊まるとお部屋はオレンジの光間接照明が主ですね。我が家も子供が遊ぶ部屋は、夕方以降暖色系のちょっと暗めの光にしています。


ここで今年の医師国家試験問題を紹介しましょう。

80歳の男性。睡眠障害を主訴に来院した。数年前から不眠、中途覚醒がみられている。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は晩酌をたしなむ程度である。コーヒーを3杯/日飲む。睡眠薬はこれまでも時折服用していたが効果が不十分と感じ、睡眠薬の追加処方を希望して受診した。
行うべき指導はどれか。
a 就寝前の飲酒
b 睡眠薬の増量
c 起床時の日光浴
d 1時間以上の昼寝
e 夕食時のコーヒー摂取

どうでしょう。もう解けましたよね?(^^)


日本人の睡眠時間は諸外国と比べて非常に短いです(そして子供の睡眠時間も短いです)。これが労働生産性が低下している要因の一つと考えられており、働き方改革などいろいろ取り組まれています。
日本の睡眠不足による経済コスト は、年間約 88 億ドルから約 138 億ドルにのぼると予測されており、日本の睡眠時間の 確保は重要な問題なのです…
また、長時間労働や睡眠不足は抑うつ、うつ病とも関連します。これも現代社会の大きな問題。

睡眠指導が医師国家試験にも出るくらい、睡眠の確保は現代社会では重要な課題なのですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?