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パーキンソン病とタクタイルの重要性

こんにちは
理学療法士・ピラティスインストラクターの益森寛美です。

パーキンソン病を始めとした神経難病の方のための
ピラティススタジオを運営しています。
▼ご興味のある方はこちらのページをご覧ください♪

今日は、パーキンソン病とタクタイルの重要性というのをテーマにお話しします。


タクタイル(Tactile)とは


ピラティスの指導で使われる用語で
お客様の体に実際に触れて、正しい体の使い方や動きを導いていきます。
声で伝えるだけでは、分かりずらい事も
実際に指導者が体に触れる事で、感覚へのアプローチにもなり
より正しい動きがインプットされます。

タクタイル(Tactile)の意味を調べると
触覚の、触覚に関する、または、触覚から生じる
という意味だそうです。


ピラティス指導者は、資格を取る際にこのタクタイルという技を学びます。


タクタイルをする事で、エクササイズの動きが分かりやすくなり
ターゲットとしている筋肉も使いやすくなります。
代償動作を防ぐ事にも繋がります。

実際にお客様の体に触れる行為になるので
慎重におこなう必要があります。


タクタイルは間違えると
逆にお客様に不快感を与えたり、ただ触っているだけで意味のないものになってしまいます。
マッサージ屋でくすぐったい思いをするような感じです。

タクタイルを上達させるには
解剖学、運動学の知識が必須だと思います。
まずは、大雑把でいいので各関節はどうやって動くものなのか
その時に、筋肉はどう伸張し、収縮するのか
をざっくりでいいので頭に入れておくことをお勧めします^^


そして次に
実際に、目の前のお客様はどのような動きをしているのか
という評価ができないといけません。

そうでないと、そもそもタクタイルが必要なのかどうか
どれくらいタクタイルが必要なのか
動きを誘導するタイミングなどが分からないからです。

なので、タクタイルをエクササイズの1回目で行う事はしません。
まずは、一度、お客様の体の動きを観察して
自分がどのように触れればよりいい動きになるかを
考える必要があります。

タクタイルを上達させるには
①正しい体の動きを知る(解剖学・運動学の基礎を学ぶ)
②お客様の動きをよく観察する


そして最後に
③色んなインストラクターのレッスンを受けて、タクタイルを体験してみるです。

③は、是非、体験されてみるといいと思います。
驚くくらい触り方や、圧のかけ方など一人一人、違うものです。
まずは、自分がいいと思ったものをどんどん吸収していくといいと思います。

タクタイルについて、だらだら話してしまいましたが
パーキンソン病の方にレッスンを行う上で
とてもこの技術が大切だと日々、感じています。

パーキンソン病の方は、ボディイメージのズレや
筋収縮や伸張の感覚が鈍くなっているケースがあります。

ボディイメージのズレに関しては
自分では、普通に歩いているつもりだけど
実際は、小刻みにちょこちょこ歩いていた。


自分ではまっすぐな姿勢のつもりだったけれど
実際は姿勢が前かがみになっていたり、傾いていたりと崩れていた。


といった、ボディイメージのズレがあります。

その為、ピラティスのような細かい動きが多い運動は

いざやろうと思ったら、動かせない
動かし方が分からない
頭と体が繋がってない感じがする
といった事が起こりやすいです。

こういった場合は、なかなか自力で動かすのは難しいケースがあります。
特に骨盤や背骨の動きは分かりずらい事が多いです。

そんな時こそ、タクタイルの役目です。

お客様の体を触って
関節の動きを頭にインプットさせる気持ちで
動きを誘導する必要があります。

その際に、重要なのが
決して受け身にさせないこと。
指導者側はサポートとしてタクタイルをする事です。

マッサージを受ける時のように、動かしてもらうスタイルには決してせず、
あくまでも自分で動いてもう努力をしてもらい
その動きをサポートしていきます。

そうする事で

「動かしても大丈夫」
「動かす事ができる」

というのをしっかり頭にインプットしてもらいます^^

続けていると、特に筋肉を伸ばしたり、鍛えたりしていなくとも
どんどん、可動域が増すことがあります。

これには、パーキンソン病のお客様自身が一番、驚くことが多くて
「出来ないと思ってたけど、出来た」
「頭と体が繋がってきた」
と言われる事も多いです。

動かし方が分かると、姿勢や歩き方も変わってきます。


たった50分のセッションでも違いが出てきます。
もしよければ、こちらのレッスンの様子の記事もみて下さい。

タクタイルの技術は、
細部にわたって動きを追及するピラティスならではの技だと思います。


ピラティスならではの魅力で、沢山の人を幸せにできるように
私も日々、学び、経験を積んで技を磨いていきます。


ではまた!



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益森寛美

神経難病を患う方の心と体を癒す専門家
nemoPilatesスタジオ代表
運動指導歴13年
神経内科病院やパーキンソン病専門のリハビリジムにてリハビリ業務の経験あり
【資格】
理学療法士
ピラティスインストラクター
LSVT-BIG認定療法士
3学会合同呼吸療法認定士

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