2つの世界の違い

前回の投稿(美味しいもの)で、美味しいものを食べること美味しく食べることの違いについて考えてみました。

美味しいものを食べる行為は、自分で選んでいるようでいて、振り回されてしまう可能性がある(自分の外側)。それに対して、美味しく食べるのは私たちの心の在りよう次第です(自分の内側)。

自分の外側と内側の違い。
筋トレ(ワークアウト、外側)ボディワーク(ワークイン、内側)の違いとも共通していることに、気づかれた方もおられると思います。外側の探求は陰か陽かで言えば、陽です。わかりやすい達成感や快楽をもたらしますが、躁的です。欠乏感をもたらす可能性がある「もっともっと」という世界です。「もっと美味しいものを食べたい」という欲求と「もっと重いものを持ち上げたい、もっと腹筋を割りたい」という欲求。実は、心の深い部分では同じなのです。

「やりがいのある仕事をしたい」と転職先を探す気持ちと、「やりがいを持って仕事をしよう」と目の前の仕事に取り組むこと。これも外側と内側の違いであり、じつはまったく同じなのです。

どちらが良い、どちらが悪いというものではありません。「コインの表と裏」「太陽と月」「陽と陰」みたいな関係性だと思ってください。東洋医学、漢方の世界で「実証と虚証」と体質をわける考え方があります。どちらかで、処方される漢方薬が違います。誰にでも同じ薬を処方する西洋医学とはまったく違った哲学で、私にとってはとても現実的に感じます。

陰のエネルギーを持っている人が、陽的なことをし始めると躁状態になります。毎日、SNSで「今日は○回、腕立て伏せをした!」など投稿し始めたりします。躁状態になっているので高揚していて、何がしらアピールしたいのです。陽のエネルギーの人の場合は、自然な行為ですからわざわざ投稿などしたりしないでしょう(仕事上の営業活動などの場合は除いて)。横綱が今日はシコを1000回踏んだ、と投稿していたらビックリです。

陽のエネルギーの人には合っていることが陰のエネルギーの人には合っていないので、いずれ挫折することになります。生まれ持ったエネルギーの質に合ったことを、私たちはするべきなのです。それに逆らうのは不自然で、いずれ苦しみをもたらすのです。

このnoteを読まれるようなあなたは、おそらく陽ではなく、どちらかと言えば陰なのではないでしょうか。私は預言者でもないですし、違う人もいるかもしれません。でも傾向として、そういう人が多い気がします。ですから、美味しいものを食べる方向性より、美味しく食べるという宗教家のような少し内側に目を向けた方が自然なのです。流れに合った探求によって、人生はより良い方向に進んでいくのです。


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