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「ボディワーカーは、ワクチンを打つのか?」(前編)

最近、「葉坂先生は、ワクチンを打ちますか?」と質問を頂くようになりました。

クライアントから質問頂くこともあれば、フィットネスインストラクターやパーソナルトレーナーヨガインストラクター、ピラティストレーナー、ボディワーカー(ロルフィング、アレクサンダーテクニーク、フェルデンクライス)、治療家(鍼灸師柔道整復師オステオパスカイロプラクター)などの健康に関わる専門家の方々と意見交換をすることもあります。

質問にお答えしたり、意見交換をする中で、改めて「ワクチンを打つか、打たないか」は人生観や身体観、哲学が反映されていることに気づきました。専門家の場合は、特にその傾向が強く現れていました。同じ健康という分野にいる専門家でも、興味深いことにはっきりとした違いがありました。

デリケートな問題なので匿名性を意識しつつ、迷っている方々の参考になればと思います。もちろん、私がどうするのかという現時点での判断は、最後に述べます。

整理すると、この記事は2部構成です。

前半は「細菌とウイルスの違いなど、判断をする上で前提となるようなこと、判断する上で知っておくべき基本的なこと」を書きます。後半は同じ健康という分野に関わっている専門家なのに起きている判断の違いについて、また私の知り合いというバイアスはかかりますが、各分野の人のそれぞれの判断や会話の中で見つけた面白い発見なども書いておきます。

ワクチンとは?

200年前、天然痘の予防法として発明されています。

牛にしかかからない牛版の天然痘(牛痘)を人間に注射したところ、人間版の天然痘がかからなくなったのです(天然痘の免疫ができる)。

免疫とは?

(自分以外の)有害なものと戦うためのシステムのことを、免疫と言います。

免疫細胞(マクロファージ、キラーT細胞)は病原体を破壊することで、病原体に破壊されることを防ぎます。一方、B細胞は、抗体を生み出して病原体を無力化します。

オールマイティな抗体は存在しません。病原体に応じて、対応する形の抗体を作らなければいけません。ただ1回、対応する形の抗体を作ることができれば、その情報は長く保持し続けられて、次に同じ病原体が来た場合はすぐに対応できるようになります(獲得免疫)。

ワクチンによって天然痘がかからない仕組み

人間では発病しない天然痘に似ている牛痘を、人体に注射する。異物が体内に入ってきたことで、牛痘用の抗体を人間は作り出し、その情報を保存(メモリーB細胞に)。本来の天然痘が体内に入ってきた際には、情報を保持しているので、すぐに牛痘用の抗体を生産する。牛痘ウイルスと天然痘ウイルスは似ているので、発病しなくて済む。

これがワクチンによって天然痘にかからない仕組みです。

インフルエンザワクチンを毎年打つ(人がいる)理由

インフルエンザウイルスの遺伝子が、頻繁に変わるからです。毎年新型が生まれているので、保持した抗体の情報では対応できないからです。

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