＃1 旅する明里

旅が終わる
そう思った瞬間に込み上げる
喪失感にも似た達成感は
もうすでに思い出になってしまった昨日今日を
美しく輝かせながら
人生の大切なピースとして
そっと心の宝箱にしまうよう誘ってくれる

お腹空かせたほうが
ご飯を美味しく感じるからという理由だけで
棒になってしまった足でも
1番奥にある搭乗口近くにあるお店までの
長くも短い距離を歩けてしまう

まだもう少し
まだもう少し

空腹を満たしてくれるその味は
疲れ切った体と寂しくなりそうな心を温かく包んでくれる

また来よう

そしてまた私は旅をする
30代人生まだまだこれからだから