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大河ドラマで楽しむ紫式部

 2024年4月11日 徳島新聞「読者の手紙」に私の拙文が掲載されました。
読んで頂ければ幸いです。

 今年のNHK大河ドラマは、平安中期に世界最古の長編小説「源氏物語」を執筆した紫式部の人生を描いています。いちずではかない恋心、秘めた情熱、きらびやかな平安貴族の権力闘争、身内同士の謀略が、不思議な緊張感を醸し出しています。
 無官で貧しい学者の娘が、紫式部へと覚醒する様を楽しみながら見ています。登場人物一人一人の性格や感情が繊細に表現され、時代や文化を超えた人間の普遍心理や本質が描かれています。さらに、平安時代の生活習慣や政治、思想などを知ることができます。
 作品としての面白さと深い哲学性が世界でも高く評価され、30カ国以上の言語に翻訳されています。千年以上も前に、400字詰め原稿用紙で約2400枚の大長編の小説が書かれたことは驚愕に値します。500人近くの登場人物、795首の和歌が詠み込まれ、紫式部の豊かな想像力と教養の高さがうかがえます。また、「ユネスコが選ぶ世界の偉人」に日本人として初めて選ばれました。
 作家の瀬戸内寂聴さんは10年という月日をかけて、源氏物語の現代語訳を平易な日本語で完成させました。平安時代へ旅するのも楽しいものですね。


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