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米国就労ビザを変更した(L2→E2)

昨年10月に書いた 渡米の記事 で、以下のように書いていました。

その後、2021年11月にAmazonを退職し、今の会社の日本本社でまずは働き始めました。自分も妻もそれぞれの会社でビザの手続きを開始し、どちらかが取得できたタイミングで渡米することにしました(今年からLやEの配偶者はEADなしで就労可能になったので、いずれか一方が取得できると2人とも米国で働けることになった)。結果として妻のビザが先に取得でき、自分はL2でまずは渡米して就労開始しています。

本記事は、ここから最終的に自分の方のビザ(E2)を取得するまでの道のりの話です。この4-5ヶ月間、ビザ関連でいろいろ大変な出来事があり、日本に1度帰国することになりましたが、再度渡米して就労開始しています。忘れないうちに、起きた出来事や取った行動などをまとめておこうと思います。

ディスクレイマーとして、ビザを取り巻く状況は日々変わるため、詳細は移民弁護士などに確認するようにしてください。


妻がレイオフの対象となる

2月22日の水曜日、出社していた妻から連絡がきました。なんとチームごとレイオフの対象になったとのこと。妻は前日までバリバリ仕事をしていましたし、突然の出来事だったのでショックを受けました。

この時期は毎日のようにテック企業のレイオフのニュースが流れており、自分たちも安全ではないと頭では理解していたつもりですが、実際に身近な人が影響を受けることに対する心の準備は正直できていなかったと思います。

↑ 妻が当時の様子を詳しくまとめています。

妻の話によると、翌週の3月2日が退職日で、その翌日からグレースピリオド(60日間の猶予期間)が始まるとのことでした。この期間内に滞在ステータス変更するか出国する必要があります。自分も妻の配偶者ビザ(L2S)で働いているため一蓮托生です。考えなければならないことは山のようにありますが、まずは自分の就労について整理することにしました。

グレースピリオド中のL2Sでの就労

まず最初に出てきた疑問は「自分はいつまで働くことができるのか?」ということでした。妻は退職日以降(グレースピリオド中)、正規の就労可能ステータスではなくなります。妻が働けない状態なのにその配偶者である自分はL2Sで問題なく働き続けることができるのかがよく分かりませんでした。

調べたり話を聞いたりした結果、ここは明確なガイダンスがなく解釈が分かれるところのようでした。自分はビザ関連は基本的にゼロリスクでいくと決めているので(万一リスク発現した際に人生設計に影響が出るため)、安全を取ってグレースピリオド中は働かない方向で進めることにしました。

となると、自分もあと1週間程で就労停止する必要があります。とはいえ急すぎる話で、プロジェクトも真っ最中です。また、自分のE2もあと数ヶ月で取得できそうという時期だったので(後述)、それまでの間つなぎ止めるために退職日をできるだけ延ばせないか妻に交渉してもらうことになりました。

E2の申請

話が変わりますが、昨年から自分の会社でE2の申請準備をしていました。自分が社内で初めてのEビザ申請だったので、企業登録も同時におこなう必要があり、思った以上に準備に時間がかかりましたが、2月末頃にようやく申請できる目処が立ちました。そして3月1日に書類を提出しました。

Eビザの1人目の申請は、まず企業審査が2-3ヶ月あり、その後書類を提出した米国大使館 or 領事館で面接するといった流れです。なので5月中には面接に行けるだろうということで、あとは気長に待つだけとなりました。

レイオフの話と見事にタイミングが重なっていますが、このE2の申請自体はそれとは独立して進んでいた話です。今となっては、この話が進んでいて本当によかったと思います(あと数ヶ月はやければもっとよかったけど)。

妻の退職日が延びる

話が戻ります。妻の交渉の結果、退職日が 3月2日 → 3月31日 に延長されることになりました!自分はあと1ヶ月程は米国で就労できることになりました。グレースピリオド開始は4月1日となり、それ以降については会社と相談の上、再度就労できるようになるまでしばらく休職することになりました。

4月以降、自分も妻もしばらく休みということで、せっかくなので旅行に行くことにしました。グレースピリオド中は米国外に出ると入国できなくなるため、米国内の旅で検討し、アムトラックで米国横断することにしました。

グレースピリオド中もL2Sで働けることが判明

4月からの休職に向けて仕事の引き継ぎの準備を始めていたところ、3月中旬にUSCISがグレースピリオドについてのガイダンスを更新しました。直近の数ヶ月でテック企業を中心にレイオフが相次いでおり、明確なガイダンスを示す必要に迫られたのだと思います。

その中に、配偶者がグレースピリオド中でも就労可能である ことを示す記載がありました。4月以降は休職予定でしたが、問題なく働けそうです!

Q: Is my dependent spouse’s Employment Authorization Document (EAD) valid during the grace period?
A: Yes, if your spouse has an EAD or employment authorization incident to status, this authorization to work will remain valid during the maximum 60-day grace period.

ということで4月1日以降、最大60日間(5月30日まで)は合法的に就労できることが分かったので、休職は取りやめることにしました。先に述べたように、5月中にはEビザの面接を受けられそうなので、「5月末までL2で米国で就労 → 日本に帰国 → 米国領事館で面接 → E2を取得して再度渡米」というプランが立ち、ほぼラグがなく働き続けられそうな希望が出てきました。

休職はなくなりましたが、アムトラックの旅はすでに計画してしまっていたので、そこだけ1週間有給を取得して決行することにしました。

Lのグレースピリオドについて

4月になり、グレースピリオドに突入しました。その中で何度か気になったのが「自分のグレースピリオドはどこかで把握できるのだろうか?」ということです。妻は3月31日退職なので、4月1日-5月30日がグレースピリオドのはずですが、これはどこかで確認することができる情報なのでしょうか?

自分の調べた限りだと、I-94のように自ら確認できるステータスではなさそうでした。また、こちらの記事 によるとビザステータスによっても管理の厳密さに違いがありそうで、L1は "We recommend notifying USCIS that the employee no longer works for the company." と、EmployerからUSCISへの通知が必須ではなさそうな記載になっていました。妻と自分のLがすでに切れていることがUSCISに伝わっているのか、真相は今のところ分かりません。このあたり詳しい方いたらぜひ教えてください。

日本へ帰国、そしてE2の面接

5月になりました。グレースピリオドが5月30日に終了するので、少し余裕を持って5月24日に日本に帰国することにし、フライトを取りました。

しかし、5月中旬を過ぎても面接予約の連絡がきません。日本に帰国してすぐ面接を受けるつもりでいましたが、徐々にタイムリミットが近づいてきました。そして、ついに連絡がこないまま帰国の日を迎えてしまいました。

日本での滞在が始まりましたが、6月になっても領事館から一向に連絡が来ず、いつまでこのホテル暮らしが続くのだろうかと先の見えない不安を日々感じながら過ごしていました。6月半ばに米国に戻るフライトを取っていましたがキャンセルし、ホテルの滞在も数週間延長しました。自分は大阪の領事館に申請していたのですが、こちらの記事 によると大阪の方が東京よりも審査期間が長いのではと思わせる記載があり、また以下のようなツイートも見つけ、東京の大使館に申請した方がよかったのかなと少し後悔しました。

明日こそ連絡がくるかな… と日々待ち続けていたところ、6月半ばについに面接の連絡がきました。申請からはや14週間。最短で予約できる約1週間後の日を予約し、あとは面接を待つだけとなりました。

面接までの1週間は不安で夜があまり眠れませんでした。万一ビザが却下されるとESTAが使えなくなり、しばらく米国に入れなくなる可能性があります。米国のアパートの契約はそのまま残して帰国したため、却下されると面倒なことになります(リスクヘッジとして自分と妻は別々にビザ面接に行くことにして、自分が却下されても妻は米国に入れるようにはしていましたが)。まあ考えても仕方がないので、面接の準備をしながら待つことにしました。

そして面接当日(6月22日)になり、大阪の領事館に向かいました。到着すると、昨年Lの面接で来たときとは比にならないくらい並んでいました。昨年はまだコロナの最中だったので比較的少なかったのかなと思います。

1時間くらい待ってようやく自分の番になりました。面接は2-3分程度であっけなく終わり、無事Eビザが承認されました!これで無事米国に戻れます。先の見えないストレスからついに解放された瞬間でした。

再渡米

ということで6月末に米国に戻ってきました。いろいろあった4-5ヶ月間でしたが、ようやく少し落ち着きました。妻は自分より数週間遅れての面接でしたが、先日無事に配偶者ビザが取れ、もうすぐ戻ってくる予定です。

今回の件で、夫婦それぞれが独立した就労ビザを持ってリスクヘッジをしておくことの重要性を感じました。一方に何かあってももう一方のビザで米国に滞在し続けられる状態を今後も出来る限り保てるようにしたいです。また、永住の意思の有無にかかわらず、このような場合に備えてグリーンカードを取得したいという思いが強くなりました。

そして、出来る限り就労や滞在の安定化を目指しはするものの、いつ何があって米国を去ることになるか分からないので、米国にいる今のこの1日1日を大事に過ごしていこうと改めて感じる出来事でした。

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