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アムトラックでアメリカ大陸横断してきた

1週間バケーションを取得し、アムトラックでカリフォルニアからニューヨークまで行ってきた。念願のアメリカ大陸横断を達成!

アムトラックは、アメリカ全土を走っている長距離列車。渡米前はこんな鉄道が走っていることすら知らなかったが、知人に話を聞いてその存在を知り、陸路での大陸横断を1度体験してみたい!と思いチケットを取った。

カリフォルニアとニューヨークを結ぶルートは複数あるが、シエラネバダ山脈やロッキー山脈を越える以下のルートで行くことにした。

まずは2泊3日でシカゴまで行き、そこからさらに1泊かけてニューヨークへ行くことに。

初日は朝5:30に家を出発。サンノゼのバスターミナルから接続バスが出ており、それに乗ってアムトラック乗車駅のサクラメント駅まで向かった。

接続バスは朝6:10に出発。当然だけどバス待ちの人以外全然人がおらず閑散としていた。

1度ストックトンで乗り換えたりして合計4時間くらいかかった。今思えばアムトラック始発駅のエミリービル駅から乗るのが1番楽だった気がする。

バスの乗り継ぎに成功し、サクラメント駅に到着。内観は西洋な雰囲気だった。

そして11時過ぎに、今回の旅の大部分を共にするカリフォルニアゼファー号が到着!まずはこれに乗って、約50時間(2泊3日)かけてロッキー山脈を越えてシカゴまで向かう。移動距離は約4000キロ。新幹線の東京-大阪間で約550キロなので、アメリカ国土の広さを改めて実感する。

カルトレインと同じくディーゼル車で、車体はめっちゃ大きい。

車内には一般車両と寝台車両があり、自分たちは寝台車両で行った。寝台車両内は全席個室となっており、その中でもいくつかグレードがあるが、1番ベーシックなRoometteという個室を取った。Roometteは2人掛けの個室で、晩は座席を改造して2段ベッドにできる。トイレとシャワーは共用。

Roometteの個室。プライベートは確保されるが広くはなく、荷物とか置くと結構窮屈だった。

個室を取っている人は1日3食付いており、ダイニングカーで景色を見ながら食事を取ることができる。飛行機の機内食みたいなものかなと思っていてあまり期待はしていなかったが、思っていたよりもしっかりとしていた。

初日の夕食。アルコールドリンクは1本まで無料だったのでStone IPAを飲んだ。

また、Observation Carという叡電みたいな展望車両も付いており、こちらで移り変わる景色を堪能することもできる。

テーブル席ではボードゲームを持ち込んで遊んでいる人たちも何組かいた。

サクラメント駅を発ちしばらくすると、早速シエラネバダ山脈に突入。まだ雪解けしておらず、冬景色がとてもきれいだった。

シエラネバダはスペイン語で「雪の山脈」という意味らしい。文字通りの景色だった。
シエラネバダ山脈の終盤。雪で覆われた山々が夕日に映えていた。

半日かけてシエラネバダ山脈を超えるとネバダ州に入り、リノに到着。リノはラスベガスに次ぐ第2のカジノの街で、駅周辺は結構栄えてそうだった。

アムトラックでは大きな駅に着く度に10-30分程停車するので、外に出て気分転換できる。

その後、夕食を食べて就寝。寝ている間にユタ州に入り、早朝にソルトレイクシティに到着した。アムトラックの旅2日目に突入!

ソルトレイクシティ駅。この時点ですでに2時間遅れくらい。アムトラックはよく遅れるらしい。

車内の空気はかなり乾燥しているため、ポータブル加湿器を持って行くのがおすすめ。寝ている間に妻が風邪を引いてしまった。翌日からは乾燥防止のために濡れたタオルをぶら下げて寝た。

ソルトレイクシティを過ぎてしばらくするとコロラド州に入り、いよいよロッキー山脈に足を踏み入れた。写真で見たことのあるような巨岩が連なる景色が延々と続く。思っていた以上にスケールが大きくて壮大な景色。

アメリカ感のある風景。個人的には全景色の中でここの景色が1番感動的だった。

昼過ぎにはグレンウッドスプリングス駅に到着。グレンウッドスプリングスはロッキー山脈に囲まれた温泉街で、世界最大の天然温泉プールがある。デンバーから1泊2日で温泉に入りに来ている老夫婦の乗客もいた。今回は素通りだが、別途バケーションを取って訪れたい場所のひとつ。

グレンウッドスプリングス。ルーズベルト大統領がよく訪れていたらしい。
駅からはロッキー山脈の山々が眺められる。空気が澄んでいて気持ちいい!

その後は本格的にロッキー山脈の山間に突入。標高もどんどん高くなっていく。途中で通過したフレーザー駅は標高が約2600メートルもあるらしい。午前中の景色とはまた異なる景色が広がっていた。

コロラド川に沿って渓谷をゆっくりと進んでいく。
標高が高いこともあり、まだ雪が結構残っていた。

ちなみに場所によっては車両の北と南で景色が大きく異なる。個室から見える景色は北だったのだが、このあたりは南の方が絶景だったので(線路がコロラド川の北に敷かれているため)個室から出て南側の景色を堪能した。

そして夜9時頃にデンバー駅に到着。2日目はロッキー山脈の移り変わる景色を見ることができ、アメリカの自然の広さを体感できた1日だった。

デンバー駅を出発し、2日目が終了。シカゴまでの旅もあと1日!

寝ている間にネブラスカ州を通過し、朝にアイオワ州に突入。ルートが平坦になったからなのか、これまでよりもスピードが上がり、シカゴに向けてどんどん進んでいく。2日目の時点で2時間半遅れになっていたが徐々に巻き返し始め、1時間遅れくらいになった。

3日目の景色はずっと草原で代わり映えもしなかったので、多くの時間を本を読んで過ごした。電波もあまり繋がらなかったので、世間の喧騒から離れてゆっくりと本を読むことができた。

3日目は延々とこのような開放的な景色が続いていた。

そして昼にイリノイ州に入り、4時半頃に無事シカゴに到着した。旅の前半が終了!最終的には30分遅れくらいまで巻き返した。

シカゴ駅は歴史を感じさせる美しい建物だった。

その後、シカゴで1泊して観光し、翌日の晩に最終目的地であるニューヨーク行きのアムトラック(レイクショアリミテッド号)に乗車。今度は約20時間かけて1泊2日でニューヨークに向かう。

レイクショア(Lake Shore)という名前通り、五大湖のひとつであるエリー湖に沿ってひた走る。

もともとはレイクショアリミテッド号でもRoometteを取っていたが、シカゴまでがかなり窮屈だったので、アップグレードしてBedroomにした。アップグレードは入札形式で、$350で落札することができた。

BedroomはRoometteよりもスペースが広くて快適だった。室内に洗面台やトイレ、シャワーも付いていた。ただ、トイレとシャワーは同じスペースにあるというマレーシア形式だったので、シャワーは1度も使わなかった。

少しスペースが広くなっただけでもかなり快適。$350の価値はあったように思う。

夜9時半に出発し、エリー湖沿いを走っていく。夜中は外が見えなかったが、翌朝起きたらちょうどエリー湖の終盤で、少しだけ見ることができた。

エリー湖を過ぎるとしばらく草原を走り、昼過ぎにオールバニー駅に着くと1時間程停車。その間に車両の一部が切り離さてボストン行きになった。

その後はハドソン川に沿ってひたすら南下し、ニューヨークへと向かう。

ハドソン川と夕日。アムトラックの旅も終わりに近づいている。

そして夜7時頃にニューヨークに到着!カリフォルニアを出発して早5日、アメリカ横断の旅がついに終わりを迎えた。

終着駅のモイニハントレインホール駅。2021年に新たにできた駅舎で、デザインもおしゃれ。

ニューヨークでは3泊し、観光したり知り合いと会ったりした。そして帰りはフライトでカリフォルニアに戻った。アムトラックだと70時間かかる距離がフライトだとたった6時間で移動できて文明の力を感じた。

長期旅行はコロナ前の2019年以来で久々だったが、このような旅行がまたできるようになってうれしい。最近は Die with Zero であった「健康と時間とお金のバランスの変化」を意識しており、30代で健康もお金もある今、時間を意識的に作って人生のやりたいことリストをどんどん消化していきたい。

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