2022年に読んでよかった本5冊

今年は渡米でバタバタしていた時期があったりして、例年ほど本を読むことができませんでした。それでも50冊くらいは読めたので、その中から特に面白かった5冊をまとめてみようと思います。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

「火星の人(オデッセイ)」で有名なAndy Weirの新著。主人公が記憶を失っているところから物語は始まり、部屋にある実験器具を用いて自分の置かれた状況を理解していきます。その後、主人公の正体や目的が徐々に明らかになっていきますが、、とにかくスケールの大きい話が立て続けでした。

これまで読んだSFの中でもトップレベルに面白かったです。映画化も決まっているらしく、すでに製作中のようです。

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

本書では、お金は無駄に貯め過ぎずに、年齢に応じて積極的に使って思い出となる経験をしていくことの重要性が述べられています。多くの人は、老後に備えて貯金を続けた結果、大量に資産を残して亡くなるようです。

著者の考え方には非常に共感を覚えました。年齢が上がるにつれて健康は低下し、経験から得られる価値も下がっていくので、健康で体力がある今のうちに惜しまずに経験に投資していこうと改めて感じました。

自分の中でこれまで何となく考えていたことが見事に言語化されており、何度も読み返したいと思える一冊です。

嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか

落合博満の中日ドラゴンズ監督時代の8年間を追ったノンフィクションです。落合の影響で変わっていった12人の選手たちの視点を通して、落合という人物が描かれています。

落合が率いた8年間はすべてAクラスに入り、リーグ優勝も4度しています。にもかかわらず、勝利のためにあらゆるものを犠牲にするため、何を考えているか分からないと球団やファンから嫌われます。そのような落合のリーダーとしての、そしてプロフェッショナルとしての考え方や、チームへの愛情を知ることができる一冊です。

The Code Breaker: Jennifer Doudna, Gene Editing, and the Future of the Human Race

Walter Isaacsonの新著。1950年代にDNA構造が解明されてから、遺伝子編集技術CRISPRが発見されるまでの研究開発の歴史が綴られています。また、CRISPR研究により2020年にノーベル賞を受賞したJennifer Doudnaの物語も重ね合わせて話が進んでいきます。

CRISPR研究には、同時期に多くの研究者が参入しており、論文公開のスピード勝負や特許バトルといった激しい競争が繰り広げられていました。また、DoudnaのCRISPR研究はmRNAワクチンの技術と深く結びついており、mRNAの仕組みやなぜ効果が高いのかを理解することができました。

11月に邦訳も出版されていました。

決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

LIXILにプロ経営者として雇われた瀬戸氏が創業者の潮田氏に突如CEO解任を言い渡されてから、株主総会での株主提案成立でCEOに復帰するまでのドキュメンタリーです。瀬戸氏は「Do the rignt thing(正しいことをする)」をモットーにコーポレートガバナンスの問題に立ち向かい、その信念に多くの人が仲間になっていきます。

まさにリアル版半沢直樹で、ノンフィクションとは思えないような展開で一気に読んでしまいました。本書が好きな人は、トヨタの内幕を描いた(ほぼ)ノンフィクションの小説・トヨトミシリーズも楽しめると思います。

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