こわいと言われたくなくて
「いい笑顔ですね」
「いつも笑ってるね」
「ヘラヘラしてるよね」
これは私にとって褒め言葉だ。
笑顔を褒められることは何より嬉しい。
私はどうやら「怖い」にコンプレックスがあったみたいだ。
小学校中学年ぐらいだったろうか。
「あの人怖いよね」
と、私のことを男子が噂する声が聞こえてしまった。
すごくショックだった。
人見知りだし、休み時間はお絵かきするのが好きだし、外で体を動かすよりゲームしたり漫画を読んでいたかった当時完全インドアな私は、どうしたら怖く見られないのか考えて出した結論が「笑うこと」だった。
(笑ってたら、少しは怖く見えないかな)
そう思って過ごしていたら、中学になる頃には「箸が転んでもおかしい」みたいなくらい、些細なことで友人と大笑いしていた。
しかし家では反抗期が酷くて怒ってばかりいた。下の記事でも触れていたので詳しくは省略する。
この時期にも散々「怖い」と言われ、反抗期が過ぎても「あなたが兄弟の中で1番怖かった」なんて言われた。
ずっとずっと、怖い象徴であるかのような目尻の上がった猫目がキツそうで嫌だった。(実際反抗期は怒ってばかりで怖い顔だったとは思うが)
久々に会った遠方に住む叔母さんに「声変わりした?」なんて言われる低い声が嫌いで。
外見で私に変えられるのは、表情くらいだったのだと思う。
青白い肌なので眠くてボーっとしていると「体調悪いの?」と心配もされる。
余計な心配もかけられず、怒っているとも思われない笑顔はとても便利で、私は笑っていたから心が守られたし、悪いこともいいことだと捉えられるようになったのかもしれない。
もう、笑うことは癖なのだ。
独りでは笑わないけど、LINEでもTwitterでも、誰かと話していれば笑うし、ましてや悲しくてもムカついても私は笑いながら話している。
しかし、最近愛想笑いが消えた。
営業のお兄さんや街中でアンケートだの、話を聞くことになったら多少笑顔を返していたが、全く面白くないと真顔で。そんな私にお兄さん方がものすごく気を遣っているのも感じるが、だって面白くもなんともないんだもん。
愛想笑いに愛想笑いを返すのが、バカバカしくなった。
私の中身を見てくれる人は私のことを「怖い」なんて言わないし、相手が好きだから愛想なしに一緒に笑える。
嫌いだった猫目も「かわいい」と言ってくれた友人に高校で出逢えたのはラッキーだった。あれから段々目が好きになれた。
コンプレックスだった声も「落ち着く声だよ」と言われるようになって見方が変わってきた。
なんだかもう、怖いと言われてもなんでもいいや。
そんなの言う奴、私のことちゃんと見てくれなさそうだし、思うなら勝手に思ってくれよ。私の人生にはもっと他に関わりたい人がいるんだから。
私はこれからも笑う。
笑顔が褒められたら心から嬉しい。
けど、愛想笑いはもういらないや。
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