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真夏だからこそ想うホテルのこと

祝日明けの穏やかな朝、宿泊先の海辺のホテルでこの記事を書いています

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昨秋、自分の働き/休み方について執筆したこの記事の裏話。これを書いていた部屋は、伊豆・河津町の今井浜海岸沿いに佇む「今井浜東急ホテル」。

このホテルは35周年を迎えているが、私が幼少の頃だった約30年前「夏休みの思い出に」と毎夏のごとく泊まらせてくれていたホテルだ。

30年前には考えられないおしゃれな「今井浜オリジナルドリップコーヒー」(ホテル公式サイト)

あれから1年、#私たちの自由な休み方 で取材を始めてからの私を形容すると、ワーケーション(ホカンス)でもなく「ノーウェアケーション」とでも言おうか。日常からの突破口がいまいちないのである。

ホテル業界にはシーズン/シーズンオフという言葉があるが、記事の冒頭でキービジュアルに用いた海の朝焼けの風景だけはシーズンレス。この海景色が幼い私の目に焼き付けられ、家に帰っても父とのお絵描きではオレンジと黄色と赤のクレヨンで夕焼け、朝焼けばかり描いていた。

現地にいるうちから、むしろ行く前からセンチメンタルになり、年がら年中見返してしまうこの海の景色の魔力は、何なのだろう。

海外のどこにだって美しい海岸風景はあるが、借り物の美しい風景写真よりアマチュアな自分が撮ったものでさえ「飾って見続けていたい」というのは稀で、私の最愛の風景と言っても過言ではない。

幼少時代の憧憬はそんな魔力を持つ。

朝5時前。ホテルの朝は早い。「エントランスにキラキラのあるホテル」は私の憧憬のひとつ
(泊まったことはない「東武ホテルレバント東京」)

近所に一つや二つあるだろうホテルを切り口に、話を海側から都会に移してみる。

今や都内も郊外もリゾート地も同じ「観光地」。
なんだか日本人というだけで気軽にホテルが取りづらい状況になってしまい、少し寂しくストレスさえ感じる今日この頃である。

上述した「今井浜東急リゾート」のようなホテルは日本人の夏休みで活況。数万/泊で、1年前から予約している人さえいるから、私の父母がブッキングしてくれた30年前とは状況が違う。

と言う訳で、興味本位でインフルエンサーやインスタグラマーによる「さも美的な」ホテル(ホカンス)投稿も横目に見ている。

観光地=私の地元の横浜の開発で「駅前リゾート」のような業態も増えた。

みなとみらい線日本大通り直結、近隣カフェの新店すら動かしている「シタディーンハーバーフロン」、パシフィコ横浜周辺に突如ハワイが出現したような「ザ・カハラホテル&リゾート」はじめ、泊まってみたい気持ちは山々・・・それを横目に「地元で実家も近いのにワーケーション(ホカンス)で数万をかけるのもなぁ・・」と予約画面まで行くを繰り返していたら夏は終わる。

しかし今年は大激戦のシーズンに運良く予約が取れ、自分の幼少の思い出のメッカ「今井浜東急リゾート」へ。なんとも有難いことである。

海まで行けるのはタイミングと予算に恵まれたからであり、都会の中で昔の自分に引き戻してくれる「エントランスにキラキラのあるホテル」でも素敵な体験ができたかもしれない。

少女時代の私の目にまぶしく映った「エントランスのキラキラ」は、大人になった今の目にもまぶしく見えている。ややオールドファッションスタイルを貫くホテルで不特定多数的に、私の憧憬を呼び覚ます入口に遭遇する。
(全国的にキラキラホテルを知りたいので、是非情報をお寄せください。)

自分の経験なのに憶測なのだが、朝も夜も「この明かりを目指していけば、温かい人たちのおもてなしがある」という刷り込みが出来上がっているようなのだ。家ではないけど、帰りたくなるホテル。そんな特別な空間に一緒に手を繋いで連れて行ってくれた祖父母や両親との思い出に起因している。

京王プラザホテル(八王子)公式にない筆者情報   


記憶を辿れば、読者の皆さんにもそれぞれの憧憬が1つはあるのでは?


皆さんが今どこにいても、脳内トリップ(自分の過去への旅)をしてほしいと言う思いから、今回は真夏だからこそ想う私のホテルヒストリーとホテル雑感について書いた。

家でも愛用しているホテルモチーフの「今井浜オリジナルコースター」。(ホテル公式サイト)
2023年夏.

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