石川遼平

AISイタリアソムリエ協会認定ソムリエ、JSA日本ソムリエ協会認定ソムリエ、チーズプロ…

石川遼平

AISイタリアソムリエ協会認定ソムリエ、JSA日本ソムリエ協会認定ソムリエ、チーズプロフェッショナル、コーヒーマイスター、調理師免許、食育インストラクター、都内イタリア料理店でソムリエ勤務。イタリア文化会館ワインセミナー講師。2018年イタリアワインベストソムリエコンクール入賞

最近の記事

ラ・キウヴァ社訪問

【La Kiuva ラ・キウヴァ】 このワイナリーは、イタリアのスイス・フランス国境ヴァッレ・ダオスタ州のアルナという場所にあります。 アルナは、Paese del Lardo”ラルドの国”と書かれた、白い生ハムのラルドが特産の街です。 日本で大変お世話になっている仙石さんにご紹介いただきました。 ラ・キウヴァ社は、約50人の生産者が集まった協同組合のワイナリーです。 高い山々に囲まれ、牛の放牧場があり、小さな葡萄畑や野菜の畑があちらこちらにある坂道を登ったところに

    • ワイングラスをクルクル回す理由

      〜ワイングラスをクルクル回すスワリング〜 レストランで見かけるソムリエさんがワイングラスをクルクル回す動作の”スワリング”の理由をご紹介いたします。 語源は、英語のSwirlの”渦を巻く”という動詞の現在進行形で、Swirlingスワリングです。 これを行う理由は大きく3つあります。 ①ワインに酸素を取り入れて味わいの変化をさせる ②立ちにくい香りを立たせている ③還元ワインへの処置 ①ワインに酸素を取り入れて味わい変化をさせる ワインに酸素を入れることにより液中

      有料
      300
      • シャトーラギオール

        シャトーラギオールソムリエナイフのジュゼッペ・ヴァッカリーニモデルを金工職人の丸藤皓平さんに直していただきました! 通常シャトーラギオールのソムリエナイフの修理は、補償書と共にフランスへ送り、修理を待つのですが、今回マジカメンテの栗のクリームを押し出す型を造ってくださっていた丸藤さんにお願いしたところ、心よく承諾してくださいました。 このソムリエナイフは、僕の非常に思い入れのあるもので、2014年に日本のソムリエ試験を受かった時に母親がくれたものです。 モデルは、イタリ

        • ルドルフ2世の話

          16世紀の神聖ローマ帝国の皇帝・ルドルフ2世 オーストリア生まれの彼だが、スペイン人の母の影響で幼少期はスペインの宮殿で過ごした。 彼が生まれたのは、ちょうど大航海時代の、かの有名なマゼランが世界一周を果たした1521年から30年後だった。そのころのスペインは、新世界からの物資交易で栄えていた。 見たことのない動物・草花・芸術・食物・異国文化 幼いルドルフ少年は、叔父が新世界から持ってくるそれらが大好きで、強い強い憧れを持っていた。 そんな少年も大人になり、ついに皇

        ラ・キウヴァ社訪問

          1番好きなチーズ ベッテルマットの話

          Bettelmatt🧀 ベッテルマットは、スイス国境のイタリア・ピエモンテ州の標高2400mにもなるアルプスの山奥でのみ造られています🇮🇹 製造は7月〜9月までの、アルプスの花🌸やハーブ🌿が、青々と茂る期間のみに決められています。 その花やハーブを食べた牛🐂さんのミルクだけで造られる特別なチーズです。 生産地域のプロヴィンチャ(県)は、ヴェルバーノ・クジオ・オッソラ県。トーチェ川流域。 7つの山🏔Morasco、Castel、Valdoggia、Vannino、Po

          1番好きなチーズ ベッテルマットの話

          ソムリエという職業を選んだきっかけ

          まず、ソムリエになろうと思うより前にワインというものを学ぼうと思ったきっかけがあります。 それは、学生時代のアルバイト先のイタリア料理店でのことです。当時のホールマネージャーの方が、2つの赤ワインを飲み比べをさせてくれました。 それを飲む前の、ワインへの印象は酸っぱくて苦い飲み物で、決して好きではありませんでした。 1つ目の赤ワインは、店でのボトル価格が3000円でお出ししているものでした。やはり酸っぱくて苦いと思いました。 2つ目の赤ワインは、店でのボトル価格が30

          ソムリエという職業を選んだきっかけ

          イタリア料理を好きになったきっかけ

          わたしが、イタリア料理を好きになったのは小学生の時でした。どこにでもいる埼玉県の小学生で剣道を習っていました。 きっかけは、自宅から車で40分くらいする伊奈の町に、「ベルパエーゼ」というイタリアンレストランです。 その店は、一軒家の大きな大きなレストランで、席数がものすごくあるにも関わらず「2時間待ちです」と言われてしまうくらい人気のお店でした。 5人家族だったわたしの父は、先に車で行って名前を記入し、待ち時間が経つくらいに、のこりの4人が集合するという作戦をとっていま

          イタリア料理を好きになったきっかけ

          イタリアソムリエ資格を取りに行った話

          私が、イタリアのソムリエ協会(Associazione Italia Sommelier 通称AIS)の資格を取りにいったのは、2017年の1月~3月の期間でした。 イタリアのソムリエ資格を取ろうと思ったきっかけは、私の師匠との出会いです。 20歳の頃、料理人からソムリエになろうと決めた年、国ごとにソムリエの資格が存在し、イタリアは、その中でも国家資格に認定されているものだということを教わりました。 師匠は、2年間イタリアのレストランで働きながら修行をし、AISの資格を

          有料
          500

          イタリアソムリエ資格を取りに行った話

          ヴェルモットの歴史と購入ポイント 石川遼平

          ~ヴェルモットの歴史~ フレーバードワインを代表するヴェルモットは元来、滋養強壮や医療に軸を置いた薬酒でした。ヴェルモットの語源は1500年代ドイツにあり、白ワインにニガヨモギ(wormwood)の花を浸漬して砂糖を加えたWormutというものに由来します。 当時は、薬局で調薬草師が造るものでした。いわば民間療法のように出回っていたこのヨーロッパの薬酒は、15世紀の大航海時代に保存性の高さから、長い遠方の暑い国への搬送に適していると舟に積まれることもあったのだそうです。材料

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          ソムリエという職業は、何故面白いのか? 石川遼平

          ソムリエとして、チーズプロフェッショナルとして、10 年弱働いてきてもう一度なぜこんなにも、ワインとチーズ、そしてソムリエという職業が面白いのかを改めて考えみました。 ワインとチーズどちらにも、共通することはひとつひとつに、文化・歴史・継承が詰まっていることでしょうか。 それに、加えて本気で学ぼうと思ったときの範囲がとてつもなく広いことです。 ワインならば、まず地図を広げて、どんな気候・風土の場所なのかを把握します。冷涼なのか温暖なのか、太陽が多いのか、雨が多いのか。ブ

          ソムリエという職業は、何故面白いのか? 石川遼平

          チーズの魅力 石川遼平

          チーズ。それは、神様が人類に与えた最上の贈り物といわれております。古代より受け継がれているこの不思議な食べ物は 西アジアで生まれ ギリシャの神々に捧げられ ローマ帝国を繁栄させ キリスト教と共に広がり 人類の冬の食事を支え 船で世界を渡り 原産地を巡る論争に巻き込まれ 今でも新しい味が追求されている まさに、人類の文明・歴史とともに発展・伝播をしていった食べ物です。 人類の文明史の生き証人であるとも言えます。 ひとつひとつのチーズには、今そこ

          チーズの魅力 石川遼平

          イタリアワイン概要 石川遼平

          イタリアは南北に長い土地が続く独特な形状の国です。南は地中海性の温暖な気候、そして北は主に冷涼な大陸性の気候になっています。 北のフランス、スイス、オーストリア、スロヴェニアの国境にはヨーロッパ・アルプス山脈、半島を背骨のように連なるアペニン山脈。この2つの山脈により、イタリアはどの土地も海からも山からも近く、葡萄にアロマを与える寒暖差と斜面が形成されています。 紀元前にギリシャからやってきた人達が、「ここは、ワインの大地だ!!」と歓喜したのはその為だったといわれます。

          イタリアワイン概要 石川遼平