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愛犬が手術を受けたけど治らなかった話(1)

我が家には「きなこ」というパグが居ます。2歳の女の子です。
2017年5月、生後7ヶ月のときに、門脈シャントという病気の手術を受けました。
今回はその病気が見つかるまでの話です。


2016年11月末、我が家へ迎え入れたきなこ。
犬を飼うのは初めての私と、実家で飼育経験はあるものの、母に任せっきりだった夫。
何もわからないまま、パピーの飼育に奮闘する日々が始まりました。

きなこはとても小さくて、コロコロと丸くて、甘えん坊で、可愛くて。
子どものいない私たち夫婦の「守るべき存在」になりました。

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ペットショップで出会った子でしたが、迎え入れの時も、飼い始めてすぐの健康診断やワクチン時にも異常はなく、何でもよく食べ、よく動く、元気な子犬でした。


最初は尿結石

年が明けた2017年1月頃、
「おしっこをするときに何だか辛そう、あと回数も多くない?」と、不調が見つかり病院へ行ったところ、ストラバイト結石(犬に多い尿結石の一種)との診断を受けました。

そこから病院通いの日々が始まります。

毎週末におしっこを採取して、検査。
臭くて美味しくない療養食、苦い抗生剤。

当の本人はというとトイレ以外はけろっとしていて、元気に転げ回っていたし食欲も旺盛でした。
ただ、ストラバイト用療養食は決して好んで食べるようなものではなく、合わないものだと戻してしまったりも。

せめて食べやすいものをと、療養食を何種類か試していたある日、事件が起こりました。


ある夜の事件

ある寒い日の夜、家に帰ると、しっぽを振って待っているはずのきなこが居ない。
いつもなら、玄関の鍵が開く音で起きて、ドアの前に飛んでくるのに。
ベッドでうずくまって出てこない。

「きなこ?きなちゃん?」

呼びかけてようやくこちらに気付き、目を覚ましたものの、明らかに様子がおかしい。

動作が鈍い。よろよろと歩く。視線も、何だかぼーっとしているような。

これはきっとただ事ではない、でももう動物病院も閉まってる、と焦った私たちは、ペット専門の緊急夜間外来へ電話しました。

自宅近くへ往診に来てもらうも、来るまでの間にきなこは少しずつ回復し
いざ診てもらう頃にはすっかりいつも通りに。

先生からは「特に異常は見られないけど、気になるようでしたらまた病院へ行ってください」とのこと。
次の週末まで様子を見つつ、改めて相談しようということになりました。

そして週末。かかりつけの病院で先日の様子を伝え、いつもより詳しい検査をしてもらうことに。

しばらく待ったのち、担当の先生から「tomokoさん、ちょっとこちらにお入りください」と呼ばれました。
先生の神妙な顔つき。別室への案内。胸がキュッとなりました。

「きなこちゃんは、門脈(もんみゃく)シャントの疑いがあります」

先生は静かにそう言いました。

(ん?え?もんみゃく?ってナニ??シャントとは?????)
言葉の意味もわからずただ動揺する私たちに、先生が続けました。

「門脈シャントっていうのは、平たく言うと血管の奇形です。本来あるはずのない場所に血管が出来てしまって、その付近の臓器にうまく血液が循環せず、機能不全になる場合があります」


治療が招いた数値の悪化

「きなこちゃんの場合、肝機能のトラブルが疑われます。
今回、先にストラバイトが見つかったことで抗生剤と療養食による治療を行っていましたが、血液中のアンモニア値がかなり上昇しています。
恐らく、肝臓で抗生剤をちゃんと分解できていないのではないかと…。
そうなると、可能性として門脈シャントであることが挙がってくるんです」
(うろ覚えだけどだいたいこんな感じの説明でした)

あの夜、様子がおかしかったのも、血中アンモニア値が上昇したことによる症状だろうということでした。

尿結石を治すための投薬で肝臓に負荷がかかり、今回のことに繋がったのです。

皮肉にも、治療のために行っていたことが逆にきなこを苦しめていたということです。ただし、それがなかったら発見にも至らなかったはずで、今思えば仕方のない過程でした。
最初から一貫して適切な処置をして頂けたと思っていますし、担当の先生には今もずっとお世話になっています。

大学病院での精密検査が必要だということで、紹介状を書いてもらうことに。
次回は、大学病院でのことを書きたいと思います。


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