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出生日

子どもが生まれました。
というより、妻が産んでくれました。
医師が取り上げてくれました。
父はそこにいることしかできません。
2,898gの男児。

私の家系も妻の家系も女性が多いので、一気に男性人口が増えました。
毎度思うのはよくこんなに大きい生命が入っていたなということと、
それを産み出すのは男性の想像を絶する営みだなということ。
こんなに大きな人が内側から蹴ってきたら顔を顰めるよな、とわかる。
本当におつかれさま&ありがとう。

ーーー

新生児はまだほとんど見えていないと言われる目を開けたり閉じたりする。
膝には余った皮膚の皺がより、肩には特有の産毛が生えているのが見える。
つい30分前に始めたばかりの呼吸で胸が動いている。
呼吸の初心者のはずなのにはずなのにもう板についている。
自然と親指が口に入り、指をしゃぶる。
この動きが自然とできるから彼は生きていけるのだが、
誰が教えるでもなくそれをしていることに神秘を覚える。

母体は第二子から帝王切開になっているので、しばらくは入院生活。
自然分娩は産む前が特に痛み、帝王切開の後は産んでからが痛む。
しばらくは産後に加えて、術後の配慮も必要となる。

そんなで、新生児の兄姉たちは母なしの10日間を迎えることとなる。
数日前から母がしばらく入院ということを明かされて、不安になる。
別に今生の別でもないのに「大好きだよ」とか宣う。
母に甘えることができないから背伸びして頑張る部分がある。
一方でやりきれなくて荒れる部分もある。
子どもにとっての母親と父親の違いに思いを馳せる。

帰宅してからはワンオペとはいえど、ここでも互いの実家がスープの冷めぬ距離の恩恵に預かる。
今日は私の実家で子どもたちはそれぞれで入浴、その隙に祖母が脱いだ服を洗濯にかけてくれていた。
夕食は祝い飯(本人と母が不在ではあるが)
ケーキを食みながら、本当の意味での「誕生日」を祝えるってこの日だけだね、と笑う。(本人と母が不在ではあるが)
明日は妻の実家にお泊まり。

前回の出産はコロナ前だったので家族の立ち会いもできるし、病室への入室もできた。
今回は五類になったにせよ、親族の面会制限はかなりある印象。
「申請した家族3名のみ、病室は不可、談話室で」
そうなると帝王切開で出産した妻は今日は動けないのでほぼ会えないことになる。
今日交わした言葉は術前の「いってらっしゃい」術後の「おつかれさま」程度で、そのあとはスマホの通話で話すだけ。
それでも五類になってマシになったことは想像に難くなくて、ここ4年間で出産したお母さん方はえらい分離された心細さを抱えていたのかなと感じた。

論点があちこちにいったが、今日はこんなもんで。



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