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抱いて

苦しいんだ
淋しいしね
誰かに抱いてほしいのに
ただ広い空間
言葉がなくても
頭でも体でも抱え込んでほしい
血が通えるように
鼻がつぶれるように
優しさと安心を届けて
愛してもらいたい
とても寒いから
暖めて

いつもいつも甘えの洪水
誰だって苦しく淋しい
それを飲み込んで生きている
そんなことが分からないから
苦しいままに焼け落ちて
淋しいままに囚われて
メリーゴーランドの中心で翻弄され続けている
ディンドンと鳴り続ける音は
螺旋のなかに私を落とす
ぐるぐる回る
永遠

暖かい部屋があったなら
居座り続けたい声
体中から根が飛び出し
壁という壁
突き刺さるから
断らないと
許しを乞わないといけないね
ごめんなさい

夜明けが近づけば思い出す
時間に触れる感覚
寒くなる
木々のざわめきは空に見つめられていて
黒を逃がす
震えるこころ
もたげる恐怖
太陽光線に串刺しだ
だから今のうちに誰か
ここにいるから
抱きしめて



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