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アンコール(心のおぼろげ)
とても好きだった。今も今までもそしてずっと。時々思い浮かべることがある。それはおぼろげな、果物を剝いてくれていた光景。そういうところ。事実にはない思いが記憶としてよみがえる。果物が好きだから。ゆっくりとした時間の中でゆっくりとそれを思う。ぼやけたような色あせたような記憶のあなた。ゆっくり剝くその顔は微笑んでいるようで真剣なようで一点を見つめ剝いている。そうだな、音はないから頭の中でギターを鳴らそうか、とびきり優しいアコースティックギター。ナイロン弦だよ。うん。そうするとハミングが聞こえてきて…
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