陰影

見えているものと見えていないもの
近すぎると見えてない
見えているけど遠すぎる
思考の回路は入り組んでいて
光は走るけど到達できない
その複雑さに気づきもせず
感覚にだけ頼っている
聞こえるものと聞こえないもの
ただ感じるだけではどうにもならず
思考で判断できない
不知の壁

不思議はどこにでもある不思議
それを感じる洞察
持ち合わせいないから不知なんだ
どうしてもその能力が足りず
ただ足踏みをしているだけ
そうしていると足元に穴が開き
ただ立っている
知らなくても生きてゆける
その無防備な立派
脱帽だ

壁から滑落したら偶然不知の向こう
電極を繋ぐだけで全知全能の神
頭に光が走ったからたどり着く
その楽園
すべてを把握してるから
なにもかも手にしている
真実と現実

漁師は笑い暖かい風
海の音
見えている
不知はここにある
力を抜けよ
研ぎ澄まさなくてもいい
世界に身をまかせ溶けるように浸るように
ああそうだ
すべて詰まっている箱庭の好奇心