パン屋さんの親切+戦略
子供たちが屋内で遊べる施設を訪れた時の話。
「お昼は何にしょうか?」と子どもに問いかけると、
「パンがいい。」との元気な返事。
施設に併設されている小さめのパン屋さん。
入ると大人が5人くら横に並べばいっぱいになってしまうくらいの大きさだ。
3歩ほど進むとショーケースに突き当たる。
3段で横に5種類ほどのパンが並んでいる。
カレーパン、惣菜パン、メロンパンと様々な種類。
1番上の段にはカレーパンや惣菜パン。
一方、1番下の段には3色スプレードーナツやシュガードーナツが並んでいる。
特に不思議なことはないのだが、
この配置には何か意味が隠されているのではないか?
と色々推測してみる。
1番上にはカレーパン。
1番下にはカラフルなドーナツ。
そう。
これは選ぶ人の目線に合わせて配置されており、
誰をターゲットにするかによって、
陳列の場所が変わることを意味する。
今回訪れた場所は、
12歳までの子どもたちが遊べる施設。
つまり、1番下の段のカラフルな3色ドーナツは、
子どもたちにフォーカスされている。
扉を開けて入った瞬間、
子どもたちの視界に飛び込んでくるのは
1番下の段に配置されたカラフルなドーナツ達。
カラフルなドーナツを見た子ども達は、
キラキラと目を輝かせながら、
「これがいい!」と言う。
一緒に来ていたお友達も同じく
「ドーナツがいい。」と言う。
列に並んで何にしようかと考えている子供達も、
同年代の子たちが選んだドーナツを注文する。
面白いようにドーナツが売れていく。
このパン屋さんでは、
施設に遊びにくる子ども達にフォーカスを当て、
ドーナツが優先的に売れていくように動線が設計されているのだ。
戦略的ともいえるけれど、
もちろん子どもたちが選びやすいようにとの、
パン屋さんの優しさであることには間違いないだろう。
日常の中で当たり前すぎてスルーしてしまっている光景。
少しアンテナを立ててみて、
違う角度から捉えてみると、意外な発見があったりして、
日常が楽しくなると思います。
日常生活に変化はなくても、意識が変われば一歩前進。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?