見出し画像

ビールコーナーは学習の場?

普段、スーパーでしばしば立ち寄るお酒のコーナー。

その中でも、ビールコーナーは販売の仕事をしている人にすれば、

学習教材のかたまりではないかと思う。

「今日はノンアルコールビールでも買うか」と

フラッと立ち寄ったビールコーナーを観察してみると楽しかった。

そんな私の勝手な推測の話ですが、

しばしお付き合いいただければと思います。


やっぱりビールなのか。


ノンアルコールビールを目当てに売り場へ。

「ん?ノンアル少ないな」と感じ、

3歩ほど下がって売場を見渡してみる。

すると、お酒コーナーで一番スペースを確保されているのは、

缶ビールのコーナーだと分かる。

冷蔵の効いた棚に陳列されているのだが、10棚あるうちの

ビールだけで5棚はあるだろうか。

目の高さ付近には350mlの缶。

その下には500mlの缶。

一番下に段には、350mlの6缶パック。


ビール需要低迷とはいうけれど、

けっこう陳列されている印象を受けた。

多く陳列されているということは、需要を見込んでいると予測できる。

それならば、その見込みはどこからくるのだろうか?


・気温の変化 
 夏か?と勘違いするくらいに暑くなったこと。
 キンキンに冷えた飲みたいユーザーを見込んだ。

・在宅ワークが多くなる 
 → 家飲みが多くなる 
 → メーカーは飲食店向けではなく、スーパーへの納品にチェンジ。


お店で面をとって並んでいるということは、需要があることでもある。

発泡酒やカクテル系に流れがいく中で、

この地域ではビールの比率が高いのでは?と推測できる。


イメージは男性か?


ビールのターゲットをイメージした時に真っ先に浮かぶのはやはり男性だ。

この ビール=男性的 なイメージはテレビCMの影響も大きいだろうが、

それに関連し、字体やカラー、パッケージデザインも大きな要因だろう。

・キリッと尖ったような字体。
・ゴツゴツした感じ。

メーカー側は「誰に刺さるパッケージにするか」を

とことん考え抜いた上、パッケージ化している、

そのことを深掘りしてみると、様々な背景が見えてくるので、

分析の力を養うのに最適な場所ではないかと思う。


ゴールデンラインの奪い合い


3歩後ろに下がってビールコーナーを見渡す。

その時の印象はとてもカラフル

でも、チカチカして銘柄の違いがわからない。


近づいてみると、

ちょうど目の高さにあるブランドネームが目に飛び込んでくる。


この一番目に入りやすい高さを「ゴールデンライン」と呼ばれていて、

このゾーンにあるか否かで、販売数に大きな差が生じてくる。

そのため各メーカーの担当者は、

いかに良い場所に置いてもらうかを営業しないといけない。

ゴールデンラインの奪い合いなのだ。


目を引くPOPを使い、販売数を増やそうと試みる。

販売数が増えれば、お店にはいいゾーンに置いてもらいやすくなる。

お店としては、売れるものがほしいわけなので、

動きがあるもの → 良いスペースに置き続けられるサイクルが出来上がる。


そんなメーカーさんの頑張りを考えると、

リスペクトの言葉を送りたくなります。


ビールは競合が多く、なかなか差別化が図りにくい業種だと思う。

どこで、どのように戦っていくのか。

お酒売り場は、そんな激戦の様子が見てとれるところでないだろうか

これから夏に向けて激化するコーナー。

スーパーにいった際には、ビールコーナーに立ち寄り、

「段が入れ替わってないかな?」
「演出物はどう変化したかな?」
と気にかけて見てみるのも楽しいでしょう。


色々な試行錯誤が見えるので、販売業に限らず、

キャッチコピーやPOPデザインの学習に良いと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?