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宇野将実
2022年11月30日 01:59
部屋を見渡すと昔見た色が褪せていた。擦り切れて減っていた。存在を減らしていた。枯れた箪笥が佇んで微笑むようだが、僕にはもうお前が何の木から切り出されたものか教えてやることが出来ない。それを調査してやる時間も体力もすっかり老いの中で蒸発してしまったのだから。そもそもお前は自分がどこから来たのかなんてことを考えるのか?そんなことに意味なんてそもそも無いのだから、でっちあげてしまえば十分だろ