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rikomania
無題
パソコンが発する微熱、ベビーパウダーの甘ったるい香り。
非常に居心地の良い居心地の悪さみたいなものがずっと頭の中にあって、こびりつく、というよりはもやがかかったようなそんな感じがしている。後ろ向きみたいな前向きで、そんなに高くない温度の揺めきがこのへんをうろうろしては時々思い出したみたいにちょっかいをかけてくるのだ。
でもそれ以外はなんてことない。カプースチンを弾く肘がいつもより揺れるだけ。ペダルがちょっと軽いだけ。でも何か弾いてないと指先は忙しなかったり、そわそわしたりしたり、手のひらで手の甲をそっとさすったり。
ソファから立ち上がるのは相変わらず億劫だ。自分とソファの境目がどこにあるのか考えながら鈍い考えを巡らせて喜んだり悲しんだりする。そんなふうに夜更かしして目覚めた日は力が抜けるし、その日の夜はとっても長いのだ。
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